第2四半期決算で大幅下落のテスラ株、今後の上昇要因とリスクを徹底分析

テスラ(TSLA)は先週7月23日に第2四半期決算を発表しましたが、予想を下回る結果となり、株価は12.3%の大幅な下落を記録しました。この動きは投資家に痛手を与えましたが、大きな驚きではありませんでした。テスラ株は過去においても決算発表後に過剰反応する傾向がありました。

テスラ株の過去5年間の動向

過去5年間において、テスラ株は四半期決算発表後に5%以上下落したことが8回あります。下落した8回のうち、その後、1ヶ月後に上昇したことは5回ありました。全8回の下落の平均では約5%の上昇を見せています。また、四半期末に株価が上昇したことも5回あり、業績悪化後の四半期末の平均上昇率は約11%でした。

確かに、サンプル数は少なく、8回中5回上昇したのはコイントス程度の確率ですが、それでもテスラ株が業績不振に過剰反応する傾向があることを示しています。

テスラ株の決算後の上昇傾向

さらにテスラ株は決算発表後に大きく上昇する傾向もあります。過去3年間において、テスラ株は決算発表後に5%以上上昇したことが6回あります。さらに、これらの上昇は1ヶ月後にも続くことが多く、決算後に株価が上昇した後、1ヶ月後にも株価が上昇したのは6回全てです。逆に、急騰後に四半期末までに下落した例は1回のみです。

決算後の大きな損失と利益を見ると、テスラ株は約70%の確率で決算に大きく反応していることがわかります。テスラの投資家は常にボラティリティに備える必要があります。

第3四半期末までの株価上昇要因

今後、第3四半期末までに株価を上昇させる要因として、ロボットタクシーへの取り組みが挙げられます。テスラは10月10日に自動運転技術を検証するロボットタクシー・イベントを開催予定です。このイベントに向けて、イーロン・マスクCEOがXに進捗状況を報告し、ウォール街がイベントを予告するアップデートを行うことが期待されます。

さらに、モルガン・スタンレーのアナリスト、アダム・ジョナス氏がテスラを「トップ・ピック」に指名したことも、株価にプラスの影響を与えています。その理由として、エネルギー・ストレージ販売の成長加速、自動運転技術、コスト削減などが挙げられます。

テスラの現状と課題

テスラの株価は7月29日の米国市場で5.6%上昇し、232.10ドルで取引を終えました。この株価は第2四半期決算報告前の水準より14ドル(6%)低い水準です。

株価を押し下げる要因としては、現在のEV市場に関連するものがあります。先週末、テスラは対象となる米国人モデルY購入者に対し、9月末までに引き渡しを受ける場合、1.99%の利率のローンを提供しました。これは、金利の上昇と需要の鈍化が自動車販売の重荷になっていることを示す一つの事例です。

テスラの販売動向

コックス・オートモーティブによると、2024年上半期に米国で販売されたテスラの車両は約30万4000台で、前年同期比で約10%減少しました。テスラのモデルYの販売台数は約19万8000台で、昨年から約2%減少しました。モデルYはテスラの米国および世界でのベストセラーモデルです。

リチウムイオンバッテリー火災の影響

週末に南カリフォルニアとネバダ周辺の交通を混乱させたリチウムイオンバッテリー火災も、投資家の不安材料となる可能性があります。セミトラックが横転し、運んでいた「工業用」バッテリーが発火しました。このバッテリーは車には積まれていなかったものの、リチウムイオンバッテリーは高温で燃えやすく、消火が難しいことが問題となります。

まとめ

テスラの株価は今年に入ってから約7%下落し、15%上昇しているS&P 500種株価指数を下回っています。しかし、今後のロボットタクシー・イベントや自動運転技術の進展、エネルギー・ストレージ販売の成長加速などが株価上昇の要因となる可能性があります。投資家はテスラ株のボラティリティに備えつつ、今後の動向を注視する必要があります。

*過去記事はこちら テスラ TSLA

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