素材大手3M(MMM)は、2024年第2四半期の業績が市場予想を上回り、成長が回復していることを発表しました。この発表により、投資家の間で大きな満足感が広がっています。
売上高と利益の詳細
3Mの第2四半期の売上高は60億ドル、調整後の1株当たり利益は1.93ドルでした。ファクトセットによると、ウォール街の予想は売上高59億ドル、1株当たり利益1.68ドルでした。これにより、3Mは市場予想を大きく上回る結果を出しました。
この発表を受けて、3Mの株価は7月26日の米国市場で急騰。14:00過ぎの段階で21.2%高の125.29ドルで取引されています。
ヘルスケア事業のスピンオフと第1四半期の結果
3Mは、ヘルスケア事業のスピンオフにより、前年比で調整が必要となりました。この影響を受け、第1四半期の調整後の1株当たり利益は約1.70ドル、売上高は57億ドルでした。第1四半期には既存事業の売上高が約1%増加し、4四半期ぶりにプラス成長を記録しました。
第2四半期の既存事業売上高も約1.2%増加し、成長が継続していることを示しています。
CEOのコメントと今後の見通し
新任のCEO、ウィリアム・ブラウン氏は、「調整後利益が2桁増となり、キャッシュ創出も堅調で、当四半期も好調でした」と述べました。ブラウン氏は5月1日にマイク・ローマン氏の後任として就任し、今回が初の四半期報告となります。
今後の展望について、ブラウンCEOは「3つの優先事項に焦点を当てている」と述べ、成長戦略を強調しました。
株価と市場の反応
ソルベンタムのスピンオフ調整後、3Mの株価は今年に入り13%上昇し、S&P 500とほぼ同水準となりました。この上昇は過去3ヶ月のもので、3Mの市場での評価が高まっていることを示しています。
3Mは2024年の売上高が約1%成長すると予想しており、1株当たり利益ガイダンスを6.80ドル〜7.30ドルの範囲から、7ドル〜7.30ドルに引き上げました。ウォール街の現在の予想は7.20ドルです。
法的責任とリスク
RBCのアナリスト、ディーン・ドレイ氏は、エレクトロニクス需要などの市場改善を理由に、1株当たり利益ガイダンスを10セント上方修正すると予想していました。3Mはその増額を達成しましたが、ドレイ氏は3M株を「売り」とし、目標株価を93ドルとしています。地下水汚染による法的責任が完全には明らかになっていないと考えられるためです。
3Mは、同社や他の企業が製造した化学物質が水道水から微量に検出された場合、その浄化のために米国の水道事業者に今後数年間で約130億ドルを支払うことに合意しています。
まとめ
3Mの第2四半期の業績は予想を上回り、株価も急騰しました。今後も成長が期待される一方で、法的リスクへの対応が引き続き課題となります。投資家にとっては、3Mの戦略と市場動向を注視することが重要です。