テキサス・インスツルメンツ(TXN)は、2024年9月期の堅調な売上見通しを発表し、株価が7月23日のアフターマーケットで2.7%上昇し203.66ドルとなりました。同社の最新の業績報告と市場への影響を詳しく見ていきましょう。
6月期決算の詳細
テキサス・インスツルメンツの6月期決算では、1株当たり1.22ドルの利益を計上しましたが、この中には事前のガイダンスに含まれていなかった5セントの追加利益が含まれています。ファクトセットによると、この追加利益を除けば、ウォール街のコンセンサス予想である1株当たり1.17ドルとほぼ一致しています。また、売上高は38億2000万ドルで、コンセンサス予想と一致しました。
9月期の売上予測
テキサス・インスツルメンツは、9月期の売上高予想レンジを39億4000万ドル〜42億6000万ドルとし、コンセンサス予想の41億2000万ドルとほぼ一致する見通しを示しています。
テキサス・インスツルメンツの市場戦略と将来展望
テキサス・インスツルメンツは、自動車、産業用製品、家電製品など、経済のほぼすべての分野で使用される基本的なビルディング・ブロック・チップを販売しており、顧客は10万社以上にのぼります。同社のチップは多岐にわたる産業で重要な役割を果たしており、今後も成長が期待されます。
経営陣の楽観的な見解
投資家およびアナリストとの電話会議で、経営陣は産業用および自動車市場における同社のチップの長期的な機会について楽観的な見解を示しました。また、米国内に工場を持つ同社の「地政学的に信頼できる能力」が顧客に高く評価されていると述べています。
アナリストの評価と今後のリスク
カンター・フィッツジェラルドのアナリスト、C.J.ミューズ氏は、テキサス・インスツルメンツが今年後半の第4四半期のコンセンサス予想を下回るリスクに直面していると指摘しました。しかし、地政学的混乱の中で同社が避難所と見なされる可能性があるとも述べています。
地政学的リスクとテキサス・インスツルメンツの立ち位置
「投資家は、特に国内に供給源を持つ企業にますます目を向けるようになる可能性がある」とミューズ氏は述べており、テキサス・インスツルメンツはその条件に当てはまる企業であると評価しています。
株価の動向
過去1年で、テキサス・インスツルメンツの株価は13%上昇していますが、これはiシェアーズ・セミコンダクター上場投信の43%上昇が示す半導体業界全体の好調さには大きく遅れをとっている数字です。しかし、同社の有形固定資産の約4分の3が米国内にあることが、地政学的リスクに対する防御策として評価されています。
まとめ
テキサス・インスツルメンツは、堅調な売上見通しと地政学的に信頼できる製造能力を背景に、今後も成長が期待されます。投資家にとっては、同社の株価動向や市場戦略を注視することが重要です。