マイクロソフト(MSFT)の第4四半期決算発表が7月30日の株式市場終了後に予定されています。ウォール街では、クラウド事業の成長と生成AIへの積極的な投資により、好業績が期待されています。ファクトセットの調査ではアナリストたちは、前年同期比で利益と収益の増加を予想しています。
株価上昇とAI投資の影響
マイクロソフトの株価は今年これまでに18%上昇し、約445ドルに達しています。これは主に、AIプロジェクトに対する投資家の高い関心が影響しています。しかし、最近の高評価ハイテク株離れや、マイクロソフトのOSを搭載した機器の世界的規模のIT障害が株価に新たな圧力をかけています。
マイクロソフトのAI投資は、ChatGPTの親会社であるOpenAIへの巨額投資など、同社の株価上昇に貢献しています。マイクロソフトはまた、AIを後押ししているAzureクラウドコンピューティング事業も成長させており、AIアシスタントであるCopilotの収益化の可能性もトレーダーに楽観的な見方を与えています。
アナリストの見解
トゥルイスト証券のアナリスト、ジョエル・フィッシュバイン氏は、「マイクロソフトはクラウド、AIサービス、Copilotの採用で他社をアウトパフォームすると予想している」と述べ、格付けを「買い」とし、3年後の目標株価を600ドルとしました。
一方、グッゲンハイムのアナリスト、ジョン・ディフッチ氏は「2024年後半にIT支出が再加速することはない」と予測し、マイクロソフトの株価を目標株価なしで「中立」と評価しています。インフレと高金利が続く中、ソフトウェア企業は顧客の支出を抑制しています。
パソコン市場の回復とAIの影響
パソコン需要の低迷も引き続き懸念材料です。しかし、インターナショナル・データ・コーポレーション(IDC)が7月9日に発表した調査によると、従来のパソコン市場は8四半期連続の減少を経て、第2四半期に成長に転じました。今後のAIアップデートがPC市場にさらなる需要をもたらすと期待されています。
BofA証券のアナリスト、ブラッド・シルズ氏は、「Azureの好調の持続、Office E3/E5のプレミアムミックス、Microsoft Copilotの初期段階での牽引、PC/Windowsの購買環境の正常化などから、第4四半期の売上高予測640億ドル(前年同期比14%増、Activisionを除くと同11%増)に対して1%の上振れを見込んでいる」と述べ、目標株価を480ドルから510ドルに引き上げ、格付けを「買い」としています。
まとめ
マイクロソフトの第4四半期決算は、クラウド事業とAI投資の成功が期待される中で注目されています。投資家やアナリストは、このソフトウェアの巨人の継続的な成長を楽観視していますが、インフレや高金利、パソコン需要の低迷といったリスクも依然として存在します。これらの要因がどのように影響するか、今後の動向に注目です。
*過去記事 マイクロソフト MSFT