近年、半導体業界は急速な成長を遂げており、特にAI技術の進展により多くの企業が注目されています。その中でも、エヌビディア(NVDA)とブロードコム(AVGO)は投資家の間で高い人気を誇っています。この両社の関係について、シティのアナリスト、クリストファー・ダネリー氏は、ブロードコムがエヌビディアに「追いつきつつある」との見解を示しました。
エヌビディアとブロードコムの現状
エヌビディア
エヌビディアは、AIチップのリーダーとして知られ、今年最もホットなハイテク株の一つです。特に、AIモデルの学習に必要な高性能なグラフィックスプロセッサユニット(GPU)の供給により、業績が急成長しています。しかし、最近では競争の激化、高い評価、地政学的不確実性が株価を圧迫しています。
最近の株価動向:
- 7月22日の株価(正午過ぎ): $121.18 (+2.8%)
- 7月に入ってからの変動: -1.5%
- 今年の上昇率: +144%
ブロードコム
ブロードコムは、通信、データセンター、AIなど多岐にわたる分野で事業を展開しています。最近では、Open AIやBytedanceといったAI顧客の獲得や買収したVMwareからの利益もあり、エヌビディアに追いつく勢いを見せています。投資家の間では、これまで急騰を続けてきたエヌビディアに対する疲労感も広がっているとのことです。
最近の株価動向:
- 7月22日の株価(正午過ぎ): $158.87 (+1.0%)
- 7月に入ってからの変動: +0%
- 今年の上昇率: +42%
アナリストの見解
クリストファー・ダネリー氏は、先週投資家と会い、最も好感度の高い半導体株について議論しました。同氏のリサーチノートによると、エヌビディアが依然として最も好感度の高い銘柄である一方、ブロードコムはそのすぐ後ろに位置しているとのことです。ダネリー氏は「AVGOはより多くのAI顧客を獲得し、VMwareからも利益を得ているため、NVDAに追いつきつつある」と述べています。
さらに、ダネリー氏は「半導体には依然として強気」でありながら、マイクロン・テクノロジー(MU) に対しては「ネガティブ・カタリスト・ウォッチ」を開始すると述べています。特に、サムスンがNVDAとHBM(高帯域幅メモリー)の認定を受けると予想されるため、マイクロンの株価は短期的に低調に推移するとの見解を示しています。
まとめ
エヌビディアとブロードコムは、共に半導体業界で重要な位置を占めており、投資家の注目を集めています。エヌビディアはAI技術のリーダーとしての地位を確立していますが、ブロードコムもAI顧客の獲得やVMwareからの利益により、急成長を遂げています。投資家としては、これらの企業の動向を注視し、長期的な成長性を見極めることが重要です。
*過去記事 エヌビディアNVDA ブロードコム マイクロン