マイクロソフト（MSFT）の株価は、最近のIT障害により短期的な下落を経験しましたが、それでも多くのバリューファンドマネージャーから支持されています。この記事では、マイクロソフトの株価動向、最近のトラブルの影響、そしてバリューファンドマネージャーが同社に注目する理由について詳しく解説します。
マイクロソフトの株価と最近のIT障害
マイクロソフトの株価は7月19日に0.7%下落し、437.11ドルで取引を終えました。この下落は、世界中のWindowsコンピューターシステムを麻痺させたIT障害が原因とされています。この問題は、サイバーセキュリティ企業クラウドストライク（CRWD）のソフトウェアアップデートに関連しており、数千人の旅行者を足止めし、チャールズ・シュワブなどの金融会社の業務にも影響を及ぼしました。
長期的な視点：過去1年間の株価上昇
短期的な悪いニュースにもかかわらず、マイクロソフトの株価は過去1年間で約27％上昇しており、マイクロソフトには熱狂的なファンが多いことがわかります。
バリューファンドマネージャーの視点
モーニングスターのデータによると、マイクロソフト株は大型株バリューマネージャーの約44％が保有しています。一部のファンドはわずかな株式を保有しているだけですが、マイクロソフトが最大保有銘柄のひとつであるファンドもあります。例えば、ボイヤー・バリューファンドは資産の10％以上をマイクロソフトに投資しています。
バリューファンドにおけるマイクロソフトの存在感は、株価収益率（PER）がS&P 500種株価指数（SPX）の26に対し、38であることを考えると驚くべきことかもしれません。しかし、モーニングスターのアナリスト、ジャック・シャノン氏によると、多くのバリューマネージャーは割安株を買い、市場がその価値を認めるまで何年も保有することを目指しています。
マイクロソフトのビジネスモデルと収益性
マイクロソフトの収益の大部分は、Office製品と収益性の高いAzureクラウドコンピューティング部門からのものであり、定期的な収益が見込まれます。CFRAの株式アナリスト、アンジェロ・ジーノ氏は、「顧客は基本的に、キャッシュの予測が容易なサブスクリプションにサインアップする」と指摘しています。「この予見可能性は投資家に非常に好まれる」と同氏は述べています。
将来の展望：AIとクラウドコンピューティング
マイクロソフトとOpenAIのパートナーシップは、より高いリスクと潜在的な報酬を伴うビジネス提案です。ジーノ氏によると、Azureクラウドコンピューティング事業の年間成長率30％に対し、AIの貢献は6～7％ポイント程度と見積もられています。
バリューファンドマネージャーの信頼
バリューファンドマネージャーがマイクロソフトを手放そうとしない理由は、その高い質とビジネスモデルの安定性にあります。ボイヤー・バリューファンドの共同マネージャーであるジョナサン・ボイヤー氏は、「マイクロソフトは質が高く、最高のビジネスだ」と述べています。また、ユニオン・ストリート・パートナーズのマッコイ・ペニンガー氏も、「マイクロソフトの製品を使わずに事業を運営することは、ほとんど考えられない」と述べています。
まとめ
マイクロソフトは短期的なIT障害にもかかわらず、バリューファンドマネージャーから強い支持を受けています。長期的な視点で見れば、同社の収益性の高いビジネスモデルと安定した収益源、さらにAIとクラウドコンピューティングへの投資は、将来的な成長を支える重要な要素です。
＊過去記事 マイクロソフト MSFT