AIチップ需要で好調!TSMCの第2四半期業績を徹底解説

TSMCで知られる台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSM)は、人工知能チップの需要増により好調な業績を維持しています。しかし、短期的には地政学的な不確実性が投資家心理に影響を与える可能性があります。

第2四半期の業績

2024年第2四半期のTSMCの売上高は、前年同期比33%増の208億2000万ドルとなり、ウォール街の予想を上回りました。ファクトセットによると、アナリストは売上高を203億ドル、調整後利益をADR1株あたり1.41ドルと予想していましたが、実際の調整後利益はADR1株あたり1.48ドルでした。

7月18日の米国市場では序盤には上昇したあと大きく下落したものの、TSMCのADRは最終的に0.4%高となりました。これは、地政学リスクや市場の変動性に起因する可能性があります。

CFOのコメントと今後の見通し

TSMCの最高財務責任者(CFO)であるウェンデル・ホアン氏は、第2四半期の事業は、スマートフォンの季節的需要の減少によって一部相殺されたものの、業界をリードする3nmおよび5nm技術に対する強い需要に支えられたと述べています。また、2024年第3四半期に向けて、最先端プロセス技術に対するスマートフォンやAI関連の需要が事業を支えると期待しています。

TSMCは、第3四半期の売上高を224億~232億ドルと予想しており、アナリストらの予想する226億ドルを上回る可能性があります。

地政学リスクと市場の反応

17日には、ドナルド・トランプ前大統領が米国と台湾の関係について揺らいだように見えたため、TSMC株と半導体株は下落しました。トランプ氏は、「台湾は我々のチップ・ビジネスの約100%を奪っていった」と述べ、防衛費の負担を要求しました。

TSMCのC.C.ウェイ最高経営責任者(CEO)は、アナリストや投資家との電話会議で、トランプ大統領の発言や地政学的リスクに関する質問をはぐらかし、アリゾナ州を含む海外進出計画に変更はないと強調しました。また、TSMCは2024年末までに先端チップパッケージングの生産能力を2倍以上に拡大する予定であり、これにより顧客の需要を満たすための取り組みが進行中です。

先端チップ市場のリーダーシップ

TSMCは、エヌビディア(NVDA)のAIチップを製造する主要サプライヤーとして、ハイエンドチップ市場を独占しています。同社は、AIアプリケーションに使用される半導体市場をリードしており、アップル(AAPL)のiPhoneやクアルコム(QCOM)のモバイル・チップセット、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)のプロセッサーなどの主要製品を供給しています。TrendForceによると、TSMCはサードパーティ製チップ製造事業の市場シェアの約61%を占め、サムスンが11%でこれに続いています。

まとめ

TSMCは、AIチップの需要増加と最先端技術の導入により、今後も成長を続ける見込みです。しかし、地政学的リスクや市場の変動性が短期的な投資家心理に影響を与える可能性があるため、注視が必要です。投資家は、TSMCの業績と市場動向を継続的に監視し、長期的な視点での投資判断を行うことが重要です。

*過去記事「TSMCの第2四半期決算:利益36%増、AIチップが成長を牽引

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