エヌビディア株急落の背景とは?半導体セクターの動向とリスク分析

7月17日の米国市場においてエヌビディア(NVDA)の株価は大幅に下落し、終値は6.64%安の117.97ドルでした。これは、6月4日以来の安値であり、6月24日以来の最大の下落率です。前日の16日には、すでに1.6%の下落を見せていました。エヌビディアの株価急落の背景には、半導体セクターのパフォーマンスやサプライチェーンの安全性に対する懸念が影響しています。

半導体セクターと投資家の動向

UBSグローバル・ウェルス・マネジメントのチーフ・インベストメント・オフィサーであるマーク・ヘーフェレ氏は、リサーチノートで次のように述べています。「上半期の半導体セクターの急激なアウトパフォームを受け、一部の投資家がAIに関連したセミ(半導体)・エクスポージャーのバランスを大型のプラットフォーム企業や利益の出ないハイテク企業へと変更している」。これにより、エヌビディア株への圧力が高まっています。

TSMCへの依存

エヌビディアへの影響は、主要委託先メーカーであるTSMCこと台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSM)への懸念によってさらに悪化する可能性があります。ドナルド・トランプ前米大統領はブルームバーグとのインタビューで、中国が台湾を本土と強制的に統一しようとする脅威に対して、台湾は防衛の保障費を米国に支払うべきだと述べました。これを受けて、TSMCの米国預託証券は7.98%下落して、171.2ドルとなり、2020年7月28日以来の最大の下落率を記録しました。

エヌビディアの対応と今後の展望

エヌビディアは、台湾にあるTSMCの施設に大きく依存していますが、ジェンスン・フアンCEOは、アリゾナと日本に建設中のTSMCの拠点を使うことで地理的分散を図り、サプライチェーンのリスクを低減する計画を明かしています。また、エヌビディアはチップ製造における日本企業との提携を拡大する計画も進めています。TSMCは日本時間の7月18日午後に四半期決算を発表する予定であり、その結果が今後の動向に影響を与えることになります。

その他のチップメーカーの動向

ナスダック総合指数は2.8%下落し、他のチップメーカーにも影響が広がっています。アドバンスト・マイクロ・デバイセズ (AMD)の株価は10.21%下落しました。しかし、逆にインテル(INTC)の株価は0.35%上昇し、米国企業は海外ライバルの混乱から恩恵を受ける可能性があると見られています。

まとめ

エヌビディアの株価急落は、半導体セクター全体の動向やサプライチェーンのリスクに対する懸念が影響しています。投資家はAI関連の半導体から、これまであまり利益の出ていないハイテク企業へのシフトを見せており、今後の動向に注目が集まります。エヌビディアはTSMCとの提携を強化し、地理的分散を図ることでリスクを低減しようとしていますが、引き続き市場の動向を注視する必要があります。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

最新情報をチェックしよう!
>

幸せな生活作りのための米国株投資。
老後資産形成のための試行錯誤の日々を報告していきます。
皆様の参考になれば幸いです。

CTR IMG