アルファベット(GOOGL)がサイバーセキュリティ企業ウィズ(Wiz)を230億ドル規模で買収する契約が成立に近づいているとのニュースの続報です。
*「アルファベット、サイバーセキュリティ企業ウィズを買収か – 競争激化のクラウド市場での戦略的動き」
ウィズ買収の背景と意義
ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、ウィズの買収が実現すれば、YouTubeやモトローラ・モビリティ、ネスト・ラボの買収を上回る、グーグル史上最大の取引となります。今回の買収の動きは、特にクラウド事業の安全性強化が急務であることを示しています。先週、AT&Tがクラウド・プロバイダーであるスノーフレイク(SNOW)に置いていた顧客情報を盗まれるというニュースが報じられ、クラウドセキュリティの重要性が再認識されました。
グーグルのクラウド事業の成長
グーグルのクラウド事業は昨年26%の成長を遂げ、初めて黒字に転換しました。この成長をさらに加速させるためには、セキュリティ対策の強化が不可欠です。情報セキュリティは消費者や企業にとってホットな話題であり、セキュリティ侵害の被害を受けた企業のリストは増え続けています。例えば、オートネーション(AN)は攻撃を受けて第2四半期の業績が悪化すると述べ、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)やアドバンス・オート・パーツ(AAP)も最近ハッカーの標的になっています。
今後の展望とM&Aの動向
ウェドブッシュのダン・アイブス氏率いるアナリストチームは、「アルファベットはクラウド展開で優位に立ち、サイバーセキュリティのクラウド分野をさらに収益化するだろう」と予測しています。また、今後はハイテク企業のM&Aが活発化することが予想されます。こうした動きは、他のサイバーセキュリティ企業を後押しし、アルファベットのような巨大企業に買収される可能性のある新興企業を助けるかもしれません。
主要なサイバーセキュリティ企業
現在、上場している主要なサイバーセキュリティ企業には、パロアルトネットワークス(PANW)、サイバーアーク(CYBR)、クラウドストライク(CRWD)、Zスケーラー(ZS)、センチネルワン (S)、クラウドフレア(NET)、オクタ(OKTA)などがあります。これらの企業も、今後の市場動向に大きな影響を与える可能性があります。
まとめ
アルファベットのウィズ買収交渉は、クラウド・コンピューティング市場での競争力を高めるための重要な一手です。情報セキュリティの強化が急務とされる中で、この買収が実現すれば、アルファベットのクラウド事業の成長がさらに加速することが期待されます。今後のM&A動向にも注目が集まります。
*過去記事 アルファベット GOOGL