J.P.モルガンのアナリスト、ハーラン・サー氏は7月15日、人工知能(AI)チップに対する需要が急増していることが、2024年の半導体銘柄のパフォーマンスを押し上げる要因となると述べています。企業やクラウドコンピューティング・プロバイダーがAIインフラを構築するための投資を積極的に行っており、これが半導体市場のアップサイクルの始まりを示していると同氏は指摘しています。
半導体市場の今後の見通し
サー氏は、ほとんどの半導体企業が第2四半期の決算でアナリスト予想を上回る業績を報告し、次の四半期のガイダンスも好調であると予測しています。特に注目すべきと同氏が述べているのは、以下の5銘柄です。
- ブロードコム(AVGO)
- マーベル・テクノロジー(MRVL)
- マイクロン・テクノロジー(MU)
- アナログ・デバイセズ(ADI)
- マイクロチップ・テクノロジー(MCHP)
サー氏はこれらの銘柄全てに対し、「買い」に相当する「オーバーウエート」の格付けを与えています。
AI ASIC市場のリーダー
サー氏は、カスタムAI ASIC(特定用途向け集積回路)の分野で、ブロードコムとマーベルが顧客採用や設計獲得の面で引き続き成功していると述べています。両社は、AI関連の需要に応えるために重要な役割を果たしています。
メモリーチップ市場のリーダー
マイクロン・テクノロジーは、デスクトップ・コンピューターやサーバーに使用されるDRAMと、スマートフォンやソリッド・ステート・ハード・ドライブに搭載されるフラッシュ・メモリーの市場でリーダー的存在です。同社は、高帯域幅メモリー(HBM)3EチップをエヌビディアのデータセンターAI製品に供給しており、この分野でも競争力を発揮しています。
自動車・産業用チップの需要
アナログ・デバイセズやマイクロチップ・テクノロジーを含む自動車・産業用チップ・サプライヤーは、6月期以降の需要改善が見込まれています。サー氏は、これらの企業は上半期で底を打ち、今後の業績が回復に向かうと予測しています。
まとめ
AIチップの需要増加が半導体銘柄の成長を牽引している今、J.P.モルガンのアナリストは、このアップサイクルの始まりを強調しています。ブロードコムやマーベル、マイクロンなどの主要銘柄は、今後も注目すべき投資先となりそうです。