最近、成長株に対する注目が高まっています。特に、テクノロジー株が多いナスダック総合株価指数は、昨年10月下旬の安値から約45%も上昇しました。この上昇の原動力は人工知能(AI)の出現であり、企業は高度なソフトウェア機能やそれに必要なチップへの投資を増やしています。しかし、成長株全般は売上が市場の期待に応えない場合、簡単に下落する可能性があるため、投資家は慎重な銘柄選びが求められます。
エヌビディアと成長株の課題
エヌビディア(NVDA)の株価は過去最高値の140ドルを下回り、7月11日には5.6%下落しました。これは成長株が売上成長の鈍化によって容易に下落する可能性を示しています。このような市場環境の中で、投資家はどの銘柄を買うべきか、または持ち続けるべきかを慎重に選ばなければなりません。
トリバリエイト・リサーチのスクリーン:勝者を見つけるための指針
トリバリエイト・リサーチは、投資家が現在の市場状況で勝者を見つけるためのスクリーンを提供しています。このスクリーンは、歴史的に一貫して売上が伸びており、アナリストが売上総利益率を高めることができると予想する17社を紹介しています。売上の増加を利益の増加に変換できる企業を見つけることが目的です。
注目の成長株:パランティア
そんな中の1社として名前が上がっているのがパランティア・テクノロジーズ(PLTR)です。同社は、米国政府や世界中の大企業にソフトウェアを提供しており、同社のシステムは、一元化されたプラットフォーム上で企業のデータを整理し、情報の分析を容易にします。これにより、政府は安全保障上の脅威を特定することができ、企業は販売機会やコストに関する意思決定の支援を受けることができます。
パランティアの成長予測と市場ポテンシャル
ファクトセットによると、パランティアの売上は今年末から2026年まで毎年18%成長し、38億ドルに達すると予想されています。新規顧客の獲得による成長が期待されており、企業はデータを整理・分析する必要性が増しているため、同社のサービスへの需要が高まっています。
ビッグデータ分析市場の成長とパランティアの位置づけ
フォーチュン・ビジネス・インサイトによると、ビッグデータ分析市場全体は2032年まで年間10%台前半の成長で1兆ドル近くに達する見込みです。ソフトウェア部門は特に急速に成長すると予想されており、パランティアはその中で大きな役割を果たす可能性があります。
アナリストの見解と今後の展望
ドイツ銀行のアナリスト、ブラッド・ゼルニック氏は、「パランティアは、生成AIに必要な複雑なデータ統合における長年の投資と深い専門知識、特にオントロジーに組み込まれたデータセキュリティに対する高い評価を武器に、競争力のあるポジショニングを確立するために投資を拡大する予定だ」と評価しています。
パランティアは国防総省と最近2029年まで年間1億ドル弱の契約を結びました。これは今年度の政府関連収入の約10%に相当し、同社の製品の価値の高さを示しています。
まとめ
パランティアは、売上と売上総利益率の安定した成長を背景に、投資家にとって魅力的な成長株です。アナリストは、同社の1株当たり利益が年間約20%成長すると予測しており、EPSは今年の33セントから2026年には47セントに達する可能性があります。市場の期待を上回る成長を見せるポテンシャルを持つパランティアは、今後も注目すべき企業と言えます。
*過去記事はこちら パランティア PLTR