アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は、エヌビディア(NVDA)と並び称されるライバルとして注目されています。特に、同社の決算発表が近づくにつれ、市場の見方は一段と明るさを増しています。この記事では、AMDの株価の上昇と市場の期待について詳しく解説します。
AMDの株価動向
ファクトセットによると、AMDの第2四半期決算は7月30日に発表が予想されています。株価は過去1週間で12%、過去1ヵ月で15%上昇しており、これはエヌビディアの上昇率を上回る成果です。しかし、今年これまでのところ、エヌビディアが157%の上昇を記録しているのに対し、AMDは21%の上昇にとどまっています。
楽観的な市場の見方
AMDの株価が最近好調なのは、ウォール街のアナリストたちが同社の従来型プロセッサーと間もなく発売される次世代プロセッサー「Turin」に関して楽観的な見方を示したことが一因とされています。先月、パイパー・サンドラーのアナリスト、ハーシュ・クマール氏は、今年後半に向けてAMDを大型半導体のトップ・ピックに選びました。
投資家の注目銘柄
7月8日、メリウス・リサーチのベン・ライツ氏は、AMD、アップル(AAPL)、インテル(INTC)の3銘柄を、年末にかけて上昇する可能性がある「キャッチ・アップ」のトップ・トレードに選びました。ライツ氏は、パソコン市場の成長に加え、販売に関する市場の「管理可能な」期待が株価を押し上げているとしています。
AI向けプロセッサーMI300シリーズ
AMDのAI向けプロセッサーMI300シリーズの2024年の売上は、年初の70億ドル以上という予想に対し、バイサイド(資金運用会社)の一般的な見方では55億ドル程度になるとされています。ライツ氏は、これらの予想は同氏の予想と遜色ない範囲に収まっていると述べました。
株価の上昇要因
AMDの株価は、過去1年で54%上昇しています。BofA証券のメモによると、AMDは、半導体セクターのアクティブ・ファンド・マネージャーの間で、エヌビディア、ブロードコム(AVGO)に次いで3番目に保有数の多い銘柄となっており、ファンドマネージャーの39.3%がAMDを保有しています。
AI分野での拡大
さらに今週、AMDが欧州最大の民間人工知能研究所であるSilo AIを買収するというニュースも、この上昇に拍車をかけました。これは投資家にとって、AI分野での足跡拡大に向けた重要な動きと映ったようです。
TSMCの影響
世界最大の受託チップメーカーである台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSM)は今週、最新四半期の売上が前年同期比で33%増加したとのニュースで半導体関連株を上昇させました。この数字は最も明るい予測を上回るものでした。
まとめ
AMDの株価が今後も上昇を続けるかどうかは、間近に迫る決算報告にかかっています。その内容がどうなるか、要注目です。
*過去記事はこちら AMD