ウォール街では半導体セクターの人気が高まり続けている一方で、7月10日もソフトウェア株の下落が目立ちました。6月末にかけて、投資家は一時的に半導体株からソフトウェア・セクターにシフトする動きを見せていましたが、今週はその傾向が一服し、半導体セクターの各種指標は記録的な終値を記録しています。
半導体セクターの好調
iシェアーズ・エクスパンデッド・テック・ソフトウェア・セクターETF (IGV) は3営業日連続の下落となっており、中でもクラウドストライク・ホールディングス(CRWD)は4.6%下落し、S&P500種株価指数で2番目に大きく値を下げました。
10日に下落が目立った他のソフトウェア銘柄には、オクタ(OKTA)、スノーフレーク(SNOW)などがあります。特に、インテュイット(INTU)は大規模なレイオフを発表しつつも、人工知能のような注目分野での役割を追加する予定と述べ、4%近い下落を記録しました。
セールスフォース(CRM)の株価はダウ工業株30種平均でワースト1位となり、1.9%の下落となっています。
ソフトウェア・セクターの脅威
米国みずほ証券のアナリスト、ジョーダン・クライン氏は、ソフトウェア・セクターの投資家を脅かす要因として、いくつかの事象を指摘しています。まず、「よく所有され、愛されている」サービスナウ(NOW)の格下げがあり、この銘柄は3日間で8.6%売られました。次に、フランスの設計ソフトウェア会社ダッソー・システムズSE(DSY)が一部の国際市場での取引成立に課題があるとし、ネガティブな事前発表を行いました。
半導体セクターの復活
一方、半導体セクターでは「FOMO(fear of missing out 取り残される恐怖)」トレードが再開しており、インテル(INTC)のような最近大きく下落していた銘柄のショートスクイーズの可能性が指摘されています。特に、エヌビディア(NVDA)の次の業績報告に対する楽観的な見方が強まり、FOMOトレードが復活しています。
クライン氏はエヌビディアについて、「8月の(10月期)のガイダンスが特別なものになる可能性があり、(ブラックウェルとグレース・ブラックウェル)システムがさらに成長する(1月期)についても非常に強気なコメントが期待されている」と述べています。これにより、投資家はエヌビディアの売り込みに慎重になることが予想されます。
まとめ
ウォール街では、半導体セクターの人気が再燃する一方でソフトウェア株が下落しており、投資家は今後の市場動向に注目しています。特に、エヌビディアやインテルなどの銘柄に対する期待が高まっており、今後の業績発表に大きな関心が寄せられています。