ハイテク業界における人工知能の隆盛とは別に、アップル(AAPL)が広告業界においても大きなチャンスを掴んでいると一部のアナリストは述べています。ニーダムのアナリスト、ローラ・マーティン氏とダン・メディナ氏は7月10日、アップルの目標株価を引き上げ、「買い」の格付けを再表明しました。
アップルの株価目標引き上げとその背景
マーティン氏とメディナ氏は、アップルの目標株価を220ドルから260ドルに引き上げました。これには、同業他社が生成AIに資金を割く一方で、アップルが1100億ドルの自社株買いを承認していることが影響しています。
しかし、アナリストたちは「3年という時間枠で見ると、アップルの1桁台の売上成長率にはますますリスクが高まっている」と警告しています。そのため、彼らはアップルが広告ビジネスを構築すべきだと提案しています。これは、アマゾン・ドット・コム(AMZN)が成功を収めた手法に倣ったものです。
アップルが広告ビジネスに参入すべき理由
アナリストチームは、アップルが広告ビジネスに参入すべきいくつかの理由を挙げています。
高い広告マージン
広告マージンは70%から80%に達することが多く、商品の値上げを必要とせずにマージン拡大を促進することができます。
AppleTV+でのCTV広告
アナリストたちは、「AppleTV+でCTV(Connected TV)広告を販売するだけで、売上成長に140ベーシスポイントが追加され、2024年度のアップルの売上成長率がわずか1%というコンセンサス予想を倍増させることができる」と述べています。
アプリストアでの広告
さらに、アプリストアに広告を追加することで、売上の伸びはさらに加速すると予測されています。
アップルの現在の株価状況と今後の展望
アップルの株価は、10日の取引で1.9%上昇し232.98ドルとなりました。これにより、時価総額は3兆5730億ドルに達し、時価総額3兆5000億ドル以上で取引を終えた最初の企業となりました。
一方、ブルームバーグの報道によると、アップルは最近発表したAI戦略が需要を押し上げることを期待し、今年下半期に少なくとも9,000万台のiPhone 16の出荷を目指しているという情報があります。2023年下半期には約8100万台のiPhone 15を出荷しました。
まとめ
アップルの広告ビジネス参入は、同社の成長戦略に新たな道を開く可能性があります。高い広告マージン、AppleTV+でのCTV広告、そしてアプリストアでの広告導入は、売上の大幅な増加を促進するでしょう。今後もアップルの動向に注目していきたいと思います。
*過去記事はこちら アップル AAPL