TSMCとして知られる台湾セミコンダクタ・マニュファクチャリング(TSM)が米国市場で注目を集めています。同社の株価は上昇し続け、時価総額1兆ドルクラブに加わる日も近いと言われています。このクラブには、アップル(AAPL)、マイクロソフト(MSFT)、エヌビディア(NVDA)、アルファベット(GOOGL)、アマゾン(AMZN)、メタ・プラットフォームズ(META)などの大手企業が名を連ねています。
株価上昇の背景
TSMCの株価は7月8日に一時1%以上上昇し、過去最高値を記録しました。同社の現在の価値は約8250億ドルに達していますが、米国で取引されている同社のADR(米国預託証券)は一時1兆ドルに達しました。この上昇は、AIブームや主要顧客であるエヌビディアなどの需要増加によるものです。
主要顧客と市場シェア
TSMCはエヌビディアをはじめ、アップル、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、ブロードコム(AVGO)、クアルコム(QCOM)、インテル(INTC)などの一流ハイテク企業のチップを製造しています。同社の市場シェアは強力であり、その地位をさらに活用するために価格引き上げを求める可能性もあります。
アナリストの見解
J.P.モルガン証券のアナリストは、TSMCが7月18日に発表する第2四半期決算において、特にハイエンドのスマートフォンのおかげでアップルからの需要が上向くため、2024年の売上成長に自信を持つ可能性が高いと述べています。モルガン・スタンレーもTSMCに対して「オーバーウェイト」の格付けを行い、目標株価を1080台湾ドルから1180台湾ドルに引き上げました。
市場の反応と今後の展望
ナスダックは8日に史上最高値を記録し、TSMCを含む多くのハイテク企業が上昇しています。ヴァンエック半導体ETFのアソシエート・プロダクト・マネージャーであるニック・フラッセ氏は、TSMCがその気になればもっと利益率を上げることは可能であり、それでも素晴らしい業績を上げていると述べています。
ダイヤモンド・ヒル・キャピタル・マネジメントのクリシュナ・モハンラジ氏は、「TSMCは、世界のチップ製造の料金所のようなものだ」と述べています。同社が時価総額1兆ドルに達する次の銘柄になる日が近いことを示唆しています。
まとめ
TSMCは、AIブームや主要顧客の需要増加により株価が上昇し続け、時価総額1兆ドルクラブに加わる日が近づいています。同社の強力な市場シェアと価格引き上げの可能性は、さらなる成長を期待させます。
*過去記事「TSMCの四半期報告: 株価が下落する理由を徹底解析」