テスラ（TSLA）の株価は、最近のウォール街の予想を大幅に上回る急上昇を見せています。先週末7月5日には2.1％上昇し、終値は251.52ドルとなりました。これは、S&P 500（SPX）が0.54％、ダウ平均（DJIA）が0.17％上昇したのを凌ぐ成績です。テスラ株は8日連続で上昇し、この期間中に38％の上昇を見せ、年初来では1％の上昇となっています。
アナリストの目標株価と実際の株価
現在のテスラ株価は、ファクトセットがまとめたアナリストの平均目標株価を約28％上回っています。ウォール街のアナリストたちはテスラ株の目標株価を200ドル弱と予想していますが、投資家は約250ドルの価値があると見ています。この差はリスクとして捉えられがちですが、過去5年間においてテスラ株はアナリストの平均目標株価を約45％上回って取引されることが一般的でした。
テスラ株の特異性
このような状況は、他の株式と比べても特異です。例えば、アップル（AAPL）株の場合、平均目標株価を上回る率は18％にとどまります。ウォール街の目標株価は、アナリストが予想する1年後の取引価格と将来的に妥当なリターンを得るための価格のふたつを一般的に意味します。
アナリストの役割と市場の反応
ウォール街のアナリストはカバーするビジネスを熟知しており、、収益、成長、キャッシュフロー、バリュエーションに関する予想を軸にして投資家にとって有益な機能を果たしています。しかし、市場がアナリストのモデルや目標株価を見直す前に動いてしまうことが多く、目標株価が単なる目安に過ぎないことがしばしばあります。
テスラ株の過去5年間の動向
過去5年間で、テスラ株はアナリストの平均目標株価を大幅に上回る動きを4回見せており、そのたびに3ヶ月後には株価が上昇しています。平均上昇率は85％にも達しており、今回も同様のパターンが続くか注目されています。
今後の展望
今回のテスラ株価の上昇は、EV販売台数の回復、イーロン・マスクのEV企業への回帰、そして人工知能のビジネスチャンスが投資家を魅了しているためです。これらの要因により、業績予想が上振れしたり、成長期待が加速すれば、アナリストは目標株価を引き上げ、投資家の認識と一致する可能性があります。
短期的には、テスラの業績予想は上昇に転じる見込みです。年初には第2四半期に1株当たり90セントを稼ぐと予想されていましたが、現在は60セントに修正されています。しかし、これは予想を上回る納品台数を達成したことで維持されています。さらに、第2四半期にはバッテリー・ストレージ製品の予想以上の販売も達成しています。
長期的な展望
長期的には、テスラはより多くのEVを販売し、自動運転車や人型ロボットの訓練に使用するAI技術で大儲けできることを実証する必要があります。
＊過去記事はこちら テスラ TSLA