YouTubeのスピンオフで株価急上昇?アルファベットの未来を左右する欧州の決定

欧州の反トラスト法規制当局が、インターネット広告におけるグーグル部門の支配力を低下させるためにアルファベット(GOOGL)の解散を望んでいるというニュースが話題となっています。ニーダムのアナリスト、ローラ・マーティン氏は、アルファベットの事業が分離されることで、投資家がYouTubeなどの価値をより理解しやすくなると指摘しています。

アルファベットの価値評価

マーティン氏は、アルファベットの事業が分離されることで、それぞれの事業の価値が高まると考えています。同氏は、YouTubeを単独で評価した場合、その事業価値はアルファベット内部で得られる価値よりも50%以上高くなると見積もっています。もしYouTubeがスピンオフされれば、アルファベットの現在の株価190ドルにさらに8%上乗せされ、同氏の目標株価210ドルに到達する可能性があるとしています。

YouTubeの市場シェアと広告収入

YouTubeはデジタル広告市場で重要なプレイヤーであり、政治的広告が多い年にはデジタル広告費の約40%を占めています。また、2023年のストリーミング視聴時間において、YouTubeは市場をリードしており、ネットフリックス(NFLX)の8.5%に対し、YouTubeは9%を超えています。さらに、YouTubeは広告主から他のプラットフォームよりも30%から50%高い価格を徴収しています。

YouTubeのサブスクリプション事業の成長

YouTubeのサブスクリプション事業も急成長しています。YouTube TVは国内最大の仮想ケーブルバンドラーとなり、800万人の加入者を持っています。NFL Sunday Ticketなどの魅力的なコンテンツにより、YouTube TVの購読料収入は2023年に48億ドルに達する見込みです。また、YouTube PremiumやYouTube Musicも順調に成長しており、これらのサブスクリプション収入は合わせて200億ドルに達する見込みだとマーティン氏は見積もっています。

ニーダムの評価

マーティン氏は、YouTubeのサブスクリプション事業の価値を市場がネットフリックスに与える倍率を基に評価し、約1,750億ドルと見積もっています。さらに、2024年の広告収入を他のデジタル広告ビジネスと比較し、YouTubeの広告事業の価値を3,550億ドル〜6,250億ドルと見積もっています。これらを総合すると、YouTubeの単体価値は約5,350億ドルと算出されます。

現在のアルファベットの企業倍率では、YouTubeの価値は約3,500億ドルにとどまりますが、もしYouTubeが分離独立すれば、アルファベットには約1,900億ドル(1株あたり約15ドル)の価値が追加されるとニーダムは推定しています。

まとめ

欧州の独占禁止法規制当局によるアルファベットの解体の動きは、YouTubeなどの事業の価値を引き出す可能性があります。ニーダムのアナリスト、ローラ・マーティン氏の評価によれば、アルファベットの事業が分離されることで、株主価値が大幅に増加する可能性があります。投資家にとって、この動きは注目すべき重要なポイントです。

*過去記事 アルファベット GOOGL

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