エヌビディア(NVDA)は、人工知能(AI)ブームの恩恵を受けている主要なチップメーカーの一つですが、直近の株価は史上最高値から反落しています。以下では、エヌビディアと他の主要チップメーカーの株価動向と、それに影響を与える要因について詳しく見ていきます。
エヌビディアの株価動向
エヌビディアの株価は7月3日の終値で128.28ドルとなり、4.57%の上昇を見せました。しかし、ピークだった6月18日の135.58ドルからは5%以上下落しています。今年に入ってからの株価上昇率は159%に達し、S&P500指数の16%上昇やナスダック総合指数の21%上昇を大きく上回っています。
他の主要チップメーカーの動向
エヌビディアと同様にAIブームの恩恵を受けている他の主要チップメーカーとして、マイクロン・テクノロジー(MU)とクアルコム(QCOM)があります。この2社の株価動向は以下の通りです:
- マイクロン・テクノロジー:メモリーチップメーカーであるマイクロンの株価は、同期間に11%下落しました。今年に入ってからは60%上昇しています。
- クアルコム:モバイルプロセッサーのスペシャリストであるクアルコムの株価は、同期間に10%下落しました。今年に入ってからは41%上昇しています。
AIブームの影響と投資家の懸念
エヌビディア、マイクロン、クアルコムの共通点は、AIブームへの期待から利益を得ている点です。特に、マイクロンのメモリーチップはAIアクセラレーターにおいて重要なコンポーネントとなっており、エヌビディアの最新プロセッサーに必要不可欠です。クアルコムはAI対応スマートフォンの電源としてリードしており、PC向けの新しいAI対応プロセッサでも競争力を発揮しています。
しかし、先週のマイクロンの決算報告が示すように、AIチップ銘柄に対する過度な期待が市場の熱狂を抑える要因となる可能性があります。マイクロンのガイダンスが予想に沿ったものであったため、投資家はバリュエーションが適正かどうかを再評価しています。
株価収益率(P/Eレシオ)と成長期待(PEGレシオ)
ファクトセットによると、エヌビディアの株価収益率(P/Eレシオ)は約42倍で、マイクロンの約17倍、クアルコムの約19倍と比べてかなり割高に見えます。しかし、期待成長率を考慮した指標であるPEGレシオを見ると、エヌビディアのフォワードPEGレシオは0.9倍であり、マイクロンの0.5倍、クアルコムの1.6倍と比べて異なる視点が浮かび上がります。
まとめ
エヌビディアをはじめとする主要チップメーカーの株価は、AIブームの影響を強く受けていますが、過度な期待が市場の熱狂を抑える可能性もあります。投資家は、各企業のバリュエーションや成長期待を慎重に評価することが重要です。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA