エヌビディアを超えるポテンシャル?ブロードコムの未来に注目

2022年後半にOpenAIのChatGPTがリリースされて以来、人工知能(AI)関連銘柄は爆発的な人気を博しています。特に、エヌビディア(NVDA)のような業界大手は、株価の大幅な上昇に伴い、株式分割を実施し、株式の流動性を高め、一般投資家が利用できるようにしています。しかし、エヌビディアだけがこのエキサイティングな新しいチャンスに賭ける方法ではありません。この記事では、ブロードコム (AVGO)が次のエヌビディアとなる可能性について探ってみたいと思います。

ブロードコムの概要

ブロードコムは2015年にBroadcom CorporationとAvago Technologiesが合併して誕生した多角的な半導体企業です。幅広いITハードウェアを設計・製造しており、特にカスタムチップに強みを持っています。

ブロードコムのカスタムチップの利点

エヌビディアのように、ブロードコムは生成AIアルゴリズムのトレーニングや実行に使われる高性能GPU市場の大手ではありません。しかし、顧客ごとにカスタマイズされたチップを提供することで、AI産業における地位を確立しています。

データセンターにとって、ブロードコムが設計したカスタムチップを選択することは、エヌビディアのH100のような既製のソリューションを購入するよりも、初期費用とコミットメントが大きくなります。しかし、そのこととの引き替えにランニングコストと電力が安いというメリットがあり、長期的には元を取ることが可能です。

顧客企業と市場の展望

ブロードコムはアルファベット(Google TPUチップの設計を委託)や中国のソーシャルメディア大手バイトダンス(米国政府との緊張が高まる中で強力なプロセッサの供給を確保するためにブロードコムのサービスを利用予定)などの大手顧客を持っています。カスタムチップの選択は、輸出規制の影響を受けないようにするための戦略的な動きでもあります。

AI関連以外の成長ドライバー

一つのカゴにすべての卵を入れるのは決して良い考えではありません。特に、そのカゴが誇大宣伝されている技術メガトレンドである場合はなおさらです。AI技術は世界経済を変革するかもしれませんが、それがいつ起こるのか、現在のAIチップの需要が持続可能なのかはわかりません。

幸いなことに、ブロードコムの事業は多角化しています。同社は、スマートフォンから企業向けネットワーキングまで、幅広い業界に半導体サービスを提供しています。これらは主に成熟した事業ですが、ブロードコムの経営を安定させるのに役立っています。

さらに、ブロードコムにはVMwareというAI関連以外の成長ドライバーもあります。2023年に完了した690億ドルの買収は、テック企業の歴史で最大級のものでした。この買収により、ブロードコムはインフラストラクチャソフトウェア事業への参入機会を増やし、第2四半期には会社全体の売上が前年同期比43%増の124億9000万ドルに達しました。

ブロードコムの株式分割と投資の魅力

過去5年間で株価は約470%急騰しましたが、経営陣が1株につき10株の株式分割を7月15日に行うことを発表したことで、多くの小口投資家がブロードコムに注目しています。

ブロードコムのフォワード株価収益率(PER)は28と、ナスダック平均の31と同水準であり、フォワードPERがそれぞれ36と54のエヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)といったAI関連銘柄と比べると割安です。つまり、長期的なAIチャンスに賭けるには、ブロードコムの方が安全だと言うことができます。

まとめ

ブロードコムは、AI関連銘柄として注目される一方で、多角化された事業モデルと強力な成長ドライバーを持つ企業です。そのカスタムチップの利点や主要顧客との関係、VMwareの買収による成長機会など、多くのポジティブな要素があります。今後の株価の動向に注目しつつ、投資を検討する価値のある銘柄がブロードコムです。

*過去記事 ブロードコム AVGO

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