配当株への投資は、収入の安定性と同様にその安全性も重要です。豊富な配当利回りは魅力的に見えるかもしれませんが、それが持続可能であるかどうかが鍵となります。UBSは、その安全性と持続可能性を考慮した配当株リストを提供しており、これに注目する価値があります。
UBSが選ぶ安全な配当株リスト
UBSが最も安全と評価する配当株リストには、同業他社と比較して質が高く、減配の可能性が低い企業が含まれています。このリストには、以下の有名企業が含まれています:
- シェブロン(CVX)
- エクソンモービル(XOM)
- JPモルガン・チェース (JPM)
- ホーム・デポ (HD)
これらの企業はそれぞれの業界で強固な地位を築いており、安定した配当を提供しています。しかし、UBSのリストには、あまり知られていない企業も含まれています。
隠れた優良配当株
例えば、広告代理店のオムニコム・グループ(OMC)は、予想配当利回り3.2%と比較的高い利回りを提供しています。また、穀物トレーダーのブンゲ・グローバル(BG)は2.6%の配当利回りを誇ります。これらの企業もUBSが高評価する配当株の一部です。
UBSの評価基準
UBSリサーチは、「買い」と評価する銘柄を、現在配当金を支払い、予想利回りが2%以上であることを条件に選定しています。UBSの採点システムで最高ランクに入った45銘柄は、UBSグローバル優良配当株インデックスの基礎となります。
「質の高い配当の流れと、それを支える収益力およびバランスシートを備えた銘柄を求めています。また、その銘柄がそのセクターをアウトパフォームする可能性も定量的に評価します」と、クレア・ジョーンズ氏率いるUBSのアナリストは述べています。
米国企業の優位性
米国企業がリストの3分の2を占めていますが、高利回りの銘柄の中には海外に拠点を置くものもあります。例えば、利回り6.5%のアイルランドの金融業者AIBグループや、利回り5.0%の日本の鉄鋼メーカーJFEホールディングスなどです。
不動産と消費財セクターの注意点
UBSによれば、米国は引き続き配当にとって最も安全な地域です。不動産と消費財を除くほとんどの米国セクターは比較的安全とされています。しかし、いくつかの不動産株と消費者関連株もリストに入っています。例えば、配当利回り3.4%の物流不動産専門会社プロロジス(PLD) や、配当利回り2.7%のチョコレート・メーカーのハーシー(HSY)などです。
配当利回りの地域別比較
UBSの分析によると、長期的な視点で見ると、配当利回りはどの地域でも割安に見えます。特に、過去3年間の株価の推移を見ると、米国は比較的割安に見え、欧州は割高に見えるとのことです。
まとめ
配当株への投資は、安定した収入を得るための有効な手段です。しかし、その安全性と持続可能性を見極めることが重要です。UBSの配当株リストを参考にすることで、質の高い配当を提供する企業に投資することが可能になります。
*過去記事はこちら 配当株