マイクロン・テクノロジー(MU)は6月26日に最新の四半期決算の発表を予定していますが、それを前にローゼンブラット・セキュリティーズのハンス・モーゼスマン氏が同社の目標株価を225ドルに設定しました。これは139ドルあまりの現在の株価から62%の上昇余地があるとする最も強気な見通しです。この記事では、その背景と今後の展望について詳しく解説します。
人工知能がビジネスに与える影響
マイクロンは、人工知能 (AI)がビジネスにどのように影響を与えているかを示す第3四半期決算を間もなく発表する予定です。モーゼスマン氏は、「歴史上最大のメモリー・サイクルの1つに突入する中、マイクロンがビート・アンド・レイズを達成することを期待している」と述べています。つまり、業績が予想を上回り、今後の見通しも引き上げられることが期待されています。
HBMの需給動向と歩留まり問題
HBM(高帯域幅メモリ)市場は、特にAI時代において重要性が増しています。モーゼスマン氏によれば、業界のHBM供給は2025年になっても需要に追いつかないと予測されています。この供給不足は、HBM3e(HBM製品の一種)の歩留まり問題によるものです。しかし、この供給不足は平均販売価格の上昇をもたらす可能性があり、マイクロンの収益にとってプラスになると同氏は予想しています。
DRAM市場への影響
HBMのトレンドは、DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)市場にも好影響を与えると考えられています。仮にマイクロンが次年度にHBMを出荷できなかったとしても、DRAM市場全般の平均販売価格が上昇することで、売上が増加する可能性があります。モーゼスマン氏は、「HBMをウェハDRAMに多く割り当てることは、歩留まりに関係なく、全体的なビット供給量の低下とサイクルの長期化につながる」と述べています。
マイクロンの株価の現状
モーゼスマン氏の楽観論にもかかわらず、マイクロンの株価は6月25日午前の取引でほぼ横ばいとなっています。これは、市場全体の動向や投資家の慎重な姿勢が影響している可能性があります。しかし、長期的な視点で見れば、AIとメモリ市場の成長に伴い、マイクロンの株価はさらに上昇する可能性があります。
まとめ
マイクロン・テクノロジーは、AI時代の需要増加に支えられ、今後も成長が期待される企業です。ローゼンブラット・セキュリティーズのハンス・モーゼスマン氏の強気な見通しは、特にHBM市場の需給動向やDRAM市場の価格上昇に基づいています。投資家にとって、マイクロンは注目すべき銘柄であり、今後の動向を注意深く見守る必要があります。
*過去記事 マイクロン