ウォール街で最も注目されるアナリストの一人であるBofAグローバル・リサーチのビベック・アリヤ氏が、ブロードコム(AVGO)の目標株価を引き上げ、投資家の注目を集めています。アリヤ氏は、ブロードコムの目標株価を従来の2,000ドルから2,150ドルに引き上げました。この新たな目標は、ファクトセットが調査したアナリストの目標株価の中で最も高いものであり、6月21日の終値から約30%の上昇を示唆しています。
ブロードコムの成長ドライバーとしての人工知能
アリヤ氏は、ブロードコムがバリュー株から成長株へと転じた背景には、人工知能(AI)の進展が大きな要因であると指摘しています。「ブロードコムの多様な成長ドライバー、高く評価されている経営陣、そして資本増加や配当成長、市場を上回る配当利回りのユニークな実績は、プレミアム倍率を正当化します」と述べています。
機関投資家の持ち株比率の低さ
さらに、アリヤ氏はブロードコムの相対所有率が低いことにも言及しています。ブロードコムはS&P 500の上位10社にランクインしているにもかかわらず、機関投資家の持ち株比率は「市場ウエイトを大きく下回っている」とのことです。
フリーキャッシュフローと配当成長
アリヤ氏は、ブロードコムのフリーキャッシュフロー(FCF)プロファイルを高く評価しています。同社の直近のFCFマージンは43%であり、半導体セクターではエヌビディア(NVDA)と同等の水準です。また、ブロードコムは「年間配当成長率15%と市場を上回る1.25%の配当利回りのコンボで半導体業界をリードしている」と評価しています。
売上成長プロフィール
ブロードコムは、魅力的な売上成長プロフィールを持つ企業としても注目されています。アリヤ氏の予測によれば、同社の中核事業である半導体およびソフトウェア事業の成長率は通常5%~10%ですが、2024年度から2026年度にかけては年平均成長率が13%に達する可能性があります。
AIシリコンとVMware事業
さらに、アリヤ氏は、AIシリコンとVMware事業が同社の売上の半分以上を占めるようになる可能性があると付け加えています。アリヤ氏のベースケースモデルでは、2026年度の1株当たり利益(プロフォーマ)は69ドルになると予測していますが、売上高の成長がより速く、Ebitdaマージンが予想を上回れば、1株当たり80ドルを超える可能性も示唆しています。
現在の株価動向
アリヤ氏の強気な見解にもかかわらず、ブロードコムの株価は6月24日の終値で3.7%安となり4営業日連続で下落しています。しかし、この下落が長期的な成長の妨げになるとは限りません。
まとめ
ブロードコムは、AI技術の進展と堅実な経営戦略に支えられ、今後も成長を続ける見込みです。ビベック・アリヤ氏の目標株価引き上げは、同社の将来性に対する強い信頼を示しています。投資家は、この機会を逃さず、ブロードコムの成長ポテンシャルを注視する価値があります。
*過去記事 ブロードコム AVGO