エヌビディア株価急落!時価総額トップの座喪失とその影響

エヌビディア(NVDA)の時価総額が、6月20日の午後の市場の取引で大きく減少し、米国首位の座を失いました。この急激な変動は、株価の大幅な上下動によるもので、わずか1日でその評価額が大きく変わることとなりました。

エヌビディア株価の変動

エヌビディア株は20日の取引の序盤に3.8%上昇し、マイクロソフト(MSFT)に対する時価総額のリードを広げる勢いでした。しかし、午後になると一転して大きく下落、終値は3.54%安の130.78ドルでした。この結果、時価総額はマイクロソフトの3兆3130億ドルに対し3兆2170億ドルとなりました。ダウ・ジョーンズ・マーケット・データによれば、同社の時価総額が日中に2320億ドルも変動するという過去最大の反転を記録しています。

チップセクター全体の動向

エヌビディア以外の注目すべきチップセクター企業も20日の市場で下落しました。ブロードコム(AVGO)は3.77%、マイクロン・テクノロジー(MU)は6.03%の下落を記録しました。これらの銘柄はいずれも、年初来から大きな上昇を続けていましたが、20日の取引でその上昇が一時的に止まりました。

アナリストの見解

米国みずほ証券のアナリスト、ジョーダン・クライン氏は、持続的な上昇の勢いは多くのテクノロジー投資家を悩ませているようで、誰がチップ株を上昇させ続けているのかについて、多くの投資家が混乱していると述べています。

同氏は「(明確な)良い答えはない」としながらも、「25年前の(ドットコム・ブーム)以来、最大の潜在的イベントに乗り遅れることなく、勢いに乗るための手段として、リテール、クオンツ、パッシブ・ローテーションがハイテク株の勝者に向かうような気がする」と語り、「このAI列車が減速しているようには少しも感じられない」と書いています。

クライン氏は、ハイテク市場が「狂気」の兆しを見せているとしても、「それに対抗して、エヌビディア、ブロードコム、マイクロンなどの勝ち組株から飛び出すことはお勧めしない」としています。

一方、BofAのビベック・アーリャ氏は、エヌビディアの株価に対して強気の見方を示しています。同氏は、生成AI用のハードウェアの導入がまだ初期段階であり、そのサイクルが3年から5年続く可能性が高いと指摘しています。また、2024年後半に出荷が予定されているエヌビディアのBlackwellチップラインナップにも高い期待を寄せています。

投資家への影響と今後の展望

エヌビディアの株価変動は、短期的には投資家にとって不安要素となるかもしれませんが、長期的な視点では依然として成長の可能性が高いとされています。特に、クラウド顧客やソブリンAIの需要が見込まれる中で、同社の技術革新と市場拡大は続くと予想されています。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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