株価2倍の理由!ブロードコムのAIチップ需要急増と株式分割の影響

ブロードコム(AVGO)の株価は、過去1年間で100%の上昇を見せ、目覚しい急騰を遂げました。2024会計年度第2四半期の決算発表を受けて、この半導体大手の勢いはさらに加速しそうです。今回は、この急成長の要因と今後の展望について詳しく見ていきます。

売上高と利益がコンセンサス予想を上回る

ブロードコムの最新決算では、売上高が前年同期比43%増の125億ドルに達し、コンセンサス予想の120億6000万ドルを上回りました。調整後の1株当たり利益も10.96ドルと、ウォール街予想の10.85ドルを超える結果となりました。

さらに、2023年11月に完了したVMwareの買収を除くと、ブロードコムの売上高は既存事業ベースで前年比12%増加しました。同社は通期ガイダンスを引き上げ、従来の500億ドルの売上高予想から510億ドルに見込んでいます。このガイダンスは、アナリスト予想の506億ドルを上回るものです。

株式分割の実施

経営陣は、7月15日に1株につき10株の株式分割を実施することを発表しました。キルスティン・スピアーズ最高財務責任者(CFO)は、株式分割は「投資家と従業員がブロードコム株をより所有しやすくするため」に実施されると述べています。

AIがブロードコムを後押し

ブロードコムのAIチップに対する需要が急増していることが、同社の成長を支えています。具体的には、AIチップの売上高は前年比280%増の31億ドルに達しました。ブロードコムは2024会計年度のAIチップの売上を110億ドルと予想しており、これは以前の予想値である100億ドルから上方修正されたものです。

AIはブロードコムの事業を2つの方法で活性化させています。第一に、AIデータセンターでの高速データ転送を可能にするため、イーサネットネットワーキングスイッチに対する需要が大幅に向上しています。第二に、ブロードコムのハイパースケール顧客はデータセンターへのカスタムAIチップの配備を増やしており、ブロードコムはこれらの顧客からさらに多くのビジネスを獲得しています。

ブロードコムのホック・タン最高経営責任者(CEO)は最新の決算電話会議で、「当社のこうしたハイパースケールの顧客向けに次世代カスタムAIアクセラレータを受注したばかりだ」と発言しています。その結果、今年度以降、同社のAIチップの売上の伸びが加速しても不思議ではありません。

株価のバリュエーション

株式分割によってブロードコムの株価は下がり、小口投資家にとってより利用しやすくなりますが、投資家がこの株式に資金を投入する前に、同社の評価を見ておく価値はあります。

ブロードコムの現在の株価収益率(PER)は64です。これは、Nasdaq-100インデックスのPER31倍と比較すると割高です。しかし、フォワードPERが31であることは、株価の底上げを示唆しており、フォワードベースでは割高ではないことを示しています。

まとめ

ブロードコムは、最新の四半期報告書の発表後も、AI事業の成長に加え、株式分割の発表が株価を押し上げる可能性があることから、購入を検討すべきトップAI銘柄であることに変わりはありません。同社の継続的な成長機会を見逃さず、ポートフォリオに加えることを検討する価値はあると思われます。

*過去記事「過去最高値を更新!ブロードコムの株価急上昇の理由と今後の戦略

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