現在、時価総額3兆ドルを超える企業はマイクロソフト(MSFT)、アップル(AAPL)、エヌビディア(NVDA)の3社だけです。これらのテクノロジーの巨人たちは、次の大きなマイルストーンである4兆ドルへの競争を繰り広げています。ウェドブッシュ証券のアナリスト、ダニエル・アイブス氏によると、今後1年間でこの競争はますます激化するとのこと。彼らの異なる人工知能(AI)戦略が、その勝者を決定づけることになりそうです。
エヌビディアの急成長とAI戦略
エヌビディアは現在、最も急成長している企業の一つであり、AI市場の主要な受益者です。エヌビディアの株価は、2兆ドルから3兆ドルへの時価総額にわずか3ヵ月で達しました。これに対し、アップルは719営業日、マイクロソフトは650営業日かかっています。この急速な成長は、エヌビディアのグラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)の需要が急増しているためです。
特に、AIブームの「ピック・アンド・ショベル」の段階、つまりトレンドに乗るためのツールを販売する段階が続く限り、エヌビディアの成長は止まらないと思われます。エヌビディアは、迅速なチップ開発とソフトウェアにおける優位性を維持することで、ライバル企業や顧客との競争を凌駕し続けると予測されています。
資金運用会社ナヴァリエ&アソシエイツの創業者であるルイス・ナヴァリエ氏は、エヌビディアの時価総額が今年中に4兆ドルを突破し、来年には5兆ドルに達すると予想しています。
「エヌビディア、2024年末に時価総額4兆ドル突破か?業界の覇権を握る未来予測」
マイクロソフトのクラウドとAI戦略
マイクロソフトは、そのクラウドコンピューティング部門を通じてAIインフラに大規模な投資を行っています。同社は企業向けと消費者向けのAIソフトウェアを提供し、その他の多岐にわたるサービスや製品も展開しています。また、ChatGPT開発企業であるOpenAIの株式からも利益を得ることができます。
AIが自動化の恩恵を受ける企業の間で広く使われるようになると、マイクロソフトが4兆ドルを最初に達成する可能性が高まります。ニューストリート・リサーチのアナリスト、ピエール・フェラーグ氏も、同社の技術的変化をナビゲートする歴史的な能力を指摘しています。
アップルのモバイルAI戦略
アップルが最初に4兆ドルに到達するかどうかは、AIがモバイル消費者向け機器にどの程度シフトするかにかかっています。最近、同社はAIをiPhoneに統合する計画を発表し、ウォール街のアナリストから高評価を得ました。アイブス氏は、アップルがハイエンドのAI機能を中心としたサブスクリプションサービスを展開し、これがサービス部門の成長の大きな起爆剤になると予測しています。
さらに、アップルはAIの広範な普及に懐疑的な投資家にとっても魅力的な選択肢です。同社はこれまでのところ、AIに対する戦略的な重点を他の企業ほど置いていませんが、その安定した成長と革新力は依然として魅力的です。
まとめ
時価総額4兆ドルへの競争は、エヌビディア、マイクロソフト、アップルの3社の間で熾烈を極めていますが、各社の異なるAI戦略が、その未来を左右することになりそうです。エヌビディアの急成長と技術革新、マイクロソフトのクラウドとAIインフラへの投資、そしてアップルのモバイルAI戦略が、次なる大きなマイルストーンを目指す鍵となります。