ブロードコム (AVGO)の株価は、2024年5月5日に終了した四半期決算が予想を上回ったことを受け、6月12日のアフターマーケットで大幅に上昇しました。同社はまた、1株につき10株の株式分割も発表しました。
売上高と利益の大幅増加
当四半期の売上高は前年同期比43%増の124億9000万ドルに達し、ウォール街のコンセンサス予想の121億ドルを大きく上回りました。調整後の1株当たり利益は10.96ドルで、こちらも予想の10.84ドルを上回りました。
人工知能関連チップとVMwareの影響
ブロードコムは、人工知能(AI)関連チップの強い需要と、2023年後半に買収したVMwareの業績貢献が大きな要因であると説明しています。VMwareを除いた売上高も12%増加しています。
ソフトウェア部門の躍進
四半期業績の大部分を占めるソフトウェア部門の売上高は52億9000万ドルに達し、予想の46億ドルを大きく上回りました。
半導体部門の成績
半導体の売上高は72億ドルで予想通りの結果となりましたが、このセグメントには強みと弱みがあります。特に注目すべきは、AI製品の売上が31億ドルに達し、第1四半期の23億ドルから大幅に増加し、前年同期比で280%増となったことです。
ネットワーク部門の成長
ネットワーク部門の売上は38億ドルで、前年同期比44%増、市場予想の36億ドルを上回りました。ホック・タン最高経営責任者(CEO)は、「より多くの企業がVMwareのソフトウェア・スタックを採用し、独自のプライベート・クラウドを構築したため、インフラストラクチャー・ソフトウェアの売上が加速した」と述べました。
調整後Ebitdaの増加
調整後のEbitda(利息、税金、減価償却前利益)は74億3000万ドルで、前年同期から59%増加しました。一般に認められた会計原則(GAAP)では、ブロードコムは1株当たり4.42ドルの利益を計上しています。
通期見通しの上方修正
ブロードコムは通期見通しを上方修正し、2024年11月期の売上高予想を従来の500億ドルから510億ドルに、調整後Ebitdaを従来の60%から61%に引き上げました。同社はAI関連の出荷額を110億ドルと予測し、前回予想の100億ドルを上回る見込みです。
ネットワーキング部門の成長予測
タンCEOは、AIチップの旺盛な需要により、ネットワーキング部門の通期売上高が従来予想の35%から40%に増加すると述べました。
他部門の成績予測
ブロードコムのワイヤレスチップ事業は引き続き横ばいで推移しています。一方、ストレージ関連の半導体売上は通期で20%減少する見込みであり、前回予想の20%台半ばの減少を少し上回ると予測されています。
ブロードバンド関連の売上は30%台後半に減少し、前回予想の30%強の減少を上回る見込みです。産業用チップの売上も2桁減少する予測であり、前回予想の1桁台後半の減少より悪化しています。
株式分割と株価の上昇
ブロードコムは7月15日に1株につき10株の株式分割を実施します。この発表を受け、時間外取引では株価が14.6%上昇し、1,714.19ドルとなりました。
ブロードコムの最新の決算報告は、同社の強固な市場ポジションと成長性を示すものであり、特にAI関連の需要が今後の成長を支える重要な要素となりそうです。今後も注目が必要です。