AI産業は急速に拡大しています。その一例がクラウドストライク・ホールディングス(CRWD)で、同社はAIベースのサイバーセキュリティリーダーとして注目されています。
クラウドストライクの戦略と顧客の共感
クラウドストライクの成功は、その戦略の賜物です。企業向けサイバーセキュリティ業界は歴史的に分断されており、特定の分野に特化したベンダーが多く存在していました。そんな中、クラウドストライクは、1つのプラットフォームであらゆる分野をカバーすることを目指してることで異彩を放っています。クラウドストライクのFalconプラットフォームは、クラウドセキュリティ、アイデンティティセキュリティ、エンドポイントプロテクション、暴露管理などをカバーする28のモジュールを備えた軽量ソリューションです。
顧客のモジュール利用状況
2025年度第1四半期(4月30日終了)において、クラウドストライクの顧客の65%が5つ以上のモジュールを使用していることが報告されました。さらに、8つのモジュールを採用した顧客数は前年同期比で95%も急増しました。これは、企業がサイバーセキュリティのニーズを1つのプラットフォームに集約する傾向を示しています。
AIによる効果とコスト削減
クラウドストライクは、AIを活用してそのスピードと効果を高めています。自動化は、現代の巧妙な脅威に対処する鍵となります。クラウドストライクのモデルは毎日2兆件以上のセキュリティイベントで訓練されています。インターナショナル・データ・コーポレーションの調査によれば、企業はクラウドストライクのプラットフォームに1ドル投資するごとに6ドルを節約できるとされています。また、クラウドストライクは、インシデント調査が断片的なサイバーセキュリティスタックよりも66%速く完了すると主張しており、セキュリティチームの効果を2倍に高めることができます。
第1四半期の業績
クラウドストライクの2025年度第1四半期の売上高は前年同期比33%増の9億2100万ドルに達し、経営陣の予想を上回りました。当期純利益は4280万ドルで、5四半期連続でGAAPベースの黒字を達成しました。非GAAPベースの純利益は2億3170万ドルで、前年同期比70%増となりました。
ウォール街の評価
ウォールストリート・ジャーナル紙によると、クラウドストライク株を担当するアナリスト49人中38人(78%)が「買い」を推奨しています。さらに7人がオーバーウェイト(強気)を推奨し、残りの4人はホールドを推奨しています。売りを推奨するアナリストはいません。
長期的な見通し
クラウドストライクは、年間経常収益36億ドルで第1四半期を終えましたが、今後5~7年間でこの数字を100億ドルにまで増加させることができると考えています。その達成には、統一されたプラットフォームに対する顧客の嗜好が重要です。クラウドストライクは最も高度なAIを活用した保護を提供しながら、顧客のコストを削減することに成功しています。
まとめ
クラウドストライクは、AIベースのサイバーセキュリティ分野でのリーダーとしての地位を確立しています。ウォール街の強気な評価とクラウドストライクの持続的な成長見通しから判断すると、クラウドストライク株は今後も注目すべき銘柄と言えます。
*過去記事はこちら クラウドストライク CRWD