アルファベット(GOOGL)は、現在マイクロソフト(MSFT)、エヌビディア(AAPL)、アップル(AAPL)のみが所属する3兆ドルクラブ入りに近づいており、その時価総額は2兆1930億ドル前後で推移しています。この記事では、アルファベットの株価動向と将来の展望について詳しく解説します。
アルファベットの最新株価動向
6月6日、アルファベットの株価は0.8%上昇し176.73ドルとなりました。アルファベット株には2つのクラスがあり、取引量は多いものの価格はほぼ同じで、181ドル前後で推移しています。発行済み株式数は全体で約124億株にのぼります。
市場価値と利益の関係
株価と時価総額は、利益と評価倍率の関数で決まります。ファクトセットによると、アルファベットは2025年に1株あたり約8.60ドルの利益を上げると予想されています。現在の株価は利益の21倍で取引されていますが、3兆ドルを達成するためには株価は1株約243ドルになる必要があります。これは、2025年の予想利益に基づくと、PER(株価収益率)が約28倍になることを意味します。
業績予想と評価倍率
アルファベットの業績予想は今後さらに高くなる可能性がありますが、すぐに1株あたりの利益が9ドル以下から12ドルに跳ね上がることはないでしょう。したがって、アルファベットが今後数ヶ月で3兆ドルの市場価値を達成するには、評価倍率の拡大が必要です。
新しいリーダーシップの影響
株価を押し上げる一つの方法として、新しいリーダーシップの導入があります。アルファベットは、ルース・ポラット氏の後任として、アナト・アシュケナージ氏が親会社とGoogle部門の最高財務責任者(CFO)に就任することを発表しました。この交代は7月31日に発効します。
ジェフリーズのアナリスト、ブレント・ティル氏はこの人事の成果を楽観視しており、アシュケナージ氏がCFOを務めていた間、イーライリリーの株価が300%以上のリターンを達成したことを指摘しています。
AI競争におけるグーグルの位置づけ
AI競争の中でのグーグルの位置づけも重要です。エバコアISIのアナリスト、マーク・マヘイニー氏は、グーグル株の格付けを「アウトパフォーム」とし、目標株価を220ドルとしています。
マヘイニー氏は、5月に開催されたグーグルのイベント「Marketing Live」で、同社の最高経営責任者(CEO)がAIプラットフォーム「AI Overviews」から得たユーザー行動の教訓について説明したと述べ、これらの教訓には、人々がより多く検索すること、クリックしたサイトでより多くの時間を費やすこと、より詳細に検索することなどが含まれていたと述べています。
この3つのポイントによって、グーグルは新しいAI検索フォーマットに対する懐疑的な見方の重要なポイントに対処しているとマヘイニー氏は考えています。「AI検索は、より全体的なエンゲージメント、より効果的なコンバージョンを促進しており、よりリッチでターゲットを絞ったクエリで、より良い収益化をもたらす可能性がある。」とマヘイニー氏は書いています。AIとの戦いの中で、全体的な検索ボリュームは上昇し、グーグルは市場シェアを維持できるはずだと同氏は見ています。
まとめ
3兆ドルクラブへの参入は簡単ではありませんが、エヌビディアが示したように、不可能ではありません。アルファベットがAI能力でユーザーを感心させ続けることができれば、株価は上昇し、3兆ドルクラブへの鍵を手に入れる可能性は高くなります。しかし、逆にAI能力で期待を裏切れば、株価は暴落し、クラブの鍵は手の届かないものとなるかもしれません。
*過去記事 アルファベット GOOGL