アップル(AAPL)の2024年ワールドワイド・デベロッパーズ・カンファレンス(WWDC)が間もなく開幕します。CEOのティム・クック氏による基調講演が6月10日に予定されており、特に同社の人工知能(AI)ソフトウェア戦略に注目が集まっています。この記事では、アップルの最新の動向とその影響について詳しく解説します。
アップルの株価動向とWWDCへの期待
アップルの株価は、年初来ではほぼ横ばいですが、直近3ヶ月で14%の上昇を見せています。この上昇の一因は、クック氏がAIに関してどのような発表をするのかという市場の期待です。モルガン・スタンレーのアナリスト、エリック・ウッドリング氏は、WWDCに対する投資家の期待は非常に高いと述べています。
独自のデータとプライバシー基準
ウッドリング氏は、アップルがAI分野でライバルに対して持つ3つの優位性について言及しています。それは、13億人のユーザーから得た「独自のデータ」、比類のない「プライバシー基準」、そしてハードウェア、ソフトウェア、チップ、サービスの垂直統合です。
Siriのリニューアルと新機能
ウッドリング氏は、アップルが音声アシスタントSiriを次世代型にリニューアルし、より複雑なコマンドをiPhone上で直接処理できるようにすることを予測しています。さらに、テキストやウェブサイトの要約、自動メッセージング、新しい写真編集ツールなどの新機能が追加される可能性があります。これにより、Siriはアップルのネイティブアプリケーションと統合され、実用的価値が大幅に向上することになります。
AIチャットボット機能とパートナーシップ
アップルがiPhoneの次世代OSであるOS18にクラウドベースのAIチャットボット機能を追加するために、大規模な言語モデルプロバイダー(例えばOpenAIやGoogle)との提携を発表する可能性も指摘されています。この新機能は、アップルがメガキャップの生成 AIレースに正式に参入する重要なステップとなります。
新しいiPhoneモデルとAI機能
ウッドリング氏は、アップルが発表するAI新機能はおそらくiPhoneの新モデルでしか動作しないと予測しています。これには、iPhone 15 ProとPro Max、および今秋発売予定のiPhone 16モデルが含まれます。新機能は少なくとも8GBのDRAMを搭載し、毎秒35兆回以上の演算を実行できる機種に限定される可能性があります。
WWDCがアップル株に与える影響
過去10年間、基調講演当日のアップルの株価はS&P500種株価指数を10分の1ポイント下回る傾向がありましたが、ウッドリング氏は今年は劇的に変わる可能性があると見ています。特に、SiriのリニューアルやAIチャットボット機能の追加が投資家にとって大きなサプライズとなり得ます。
AIの収益化とサブスクリプションサービス
ウッドリング氏は、アップルが新しいサブスクリプションサービスを通じてAIを収益化できると考えています。例えば、AIサービスのヘビーユーザー向けに月額5ドルのサブスクリプションサービスを提供すれば、iPhoneユーザーの5%から10%を契約させることで、年間40億ドルから80億ドルの売上増が見込めるとしています。
まとめ
アップルの2024年WWDCは、投資家にとって非常に重要なイベントとなりそうです。特に、AIに関する新発表は、同社の株価に大きな影響を与える可能性があります。ティム・クックCEOの基調講演に注目し、アップルがどのような新技術やサービスを発表するのか要注目です。
*過去記事はこちら アップル AAPL