人工知能(AI)の需要は、ウォール街に旋風を巻き起こしてから1年経った今もなお活況を呈しています。ハイテク・セクターだけでなく、投資家たちは昔ながらのピック・アンド・ショベル銘柄にも勝機を見出しています。この記事では、AI技術がもたらす投資チャンスについて詳しく解説します。
エヌビディアとAI技術の拡大
エヌビディア(NVDA)は、AI技術に多額の投資を行っている企業の一例です。最新四半期の売上高は260億ドルで、前年同期の3倍以上となりました。同社のグラフィック・チップは記録的な水準で取引されており、今年に入って2倍以上に上昇しています。ジェンスン・フアンCEOは、「次の産業革命が始まった」と述べ、企業や国が既存のデータセンターを「AI工場」に転換する動きを指摘しています。
AI技術の恩恵を受ける企業
マイクロソフト(MSFT)やメタ・プラットフォームズ(META)などの大手ハイテク企業は、独自のAI能力を構築するためにエヌビディアのチップと関連インフラに数十億ドルを費やしています。また、データセンターの拡張や改修で恩恵を受ける産業企業の株価も急騰しています。
例えば、データセンターに電力を供給し冷却する機器を製造するバーティブ・ホールディングス(VRT)の株価は、今年に入って2倍以上に上昇しています。。同社の発表によると、第1四半期の新規受注は前年同期比60%増でした。ウォール街のアナリストは約15%の成長を予想しており、今後数年間の利益予測を大幅に上方修正しています。同社のジョルダーノ・アルベルタッツィCEOは先月、「まだ初期段階だが、AIは急速に我々の最終市場全体に浸透しつつある」と述べています。
投資家が注目するセクター
S&P500種株価指数の公益セクターは、過去3ヶ月で15%のリターンを記録し、同指数の他のすべての銘柄を上回っています。また、エネルギー・素材株は、この3ヶ月で4.2%上昇した市場全体をアウトパフォームしています。さらに、Global X U.S. Infrastructure Development ETFは今年13%のリターンを上げ、S&P500の11%の上昇を上回っています。
利下げとインフラ関連株の見通し
多くの投資家が予想しているように、連邦準備制度理事会(FRB)が今年後半に利下げを実施すれば、インフラ関連株はさらに上昇する可能性があります。5月31日に発表される個人消費支出指数(PCE)が今後の金利動向を探る重要な指標となりそうです。
長期的な投資チャンス
AI技術の拡大に伴い、投資チャンスは広がっています。データセンターの建設業者や運営業者、電力会社、公益事業者など、多岐にわたるセクターで利益を上げることが期待されています。イートン・コーポレーション(ETN)やジョンソン・コントロールズ・インターナショナル(JCI)、クォンタ・サービシズ(PWR)などの企業は、高い成長率を見込んでおり、今後のパフォーマンスが期待されています。
まとめ
AIブームは続いており、多くの企業がこの波に乗っています。投資家にとっては、データセンターのインフラや関連するセクターへの投資が有望です。エヌビディアをはじめとするAI関連企業は引き続き注目されそうです。今後の市場動向に注視しながら、投資戦略を練ることが重要です。