エヌビディア(NVDA)は5月22日、1株を10株に分割すると発表し、投資家たちを歓喜させました。この発表は、株式分割のトレンドの始まりとなる可能性があるとバンク・オブ・アメリカ(BofA)は見ています。
株式分割の背景とその影響
株価が500ドルを超えるS&P500銘柄は現在36社あります。特に注目されるのは、マグニフィセント・セブンのうち、マイクロソフト(MSFT)とメタ・プラットフォームズ(META)の2社がその閾値に近づいている点です。BofAのアナリストは、「株価の高い銘柄は、一般的に分割発表の有力な候補となる」と述べています。経営陣は、株価が下がることで株式へのアクセスが広がり、特に個人投資家にとって魅力的になると考えるかもしれません。
ブロードコム(AVGO)、スーパー・マイクロ・コンピュータ(SMCI)、ネットフリックス(NFLX)などの企業も、株価を考慮すると分割の候補になる可能性があります。特に注目すべきは、オンライン旅行会社のブッキング・ホールディングス(BKNG)です。同社の1株は3,500ドル以上で取引されており、有力候補です。今年初めに配当を開始したこともあり、投資家にとっては魅力的な銘柄です。
株式分割の心理的効果
株式分割の意義はファンダメンタルズ的というよりも心理的なものであることが多いです。エヌビディアの場合、1株は現在約1,000ドルであり、S&P500種株価指数の中で10本の指に入る高値を示しています。株価が高ければ評価額が高いとは限りませんが、株価が下がれば特に個人投資家にとっては魅力的な銘柄に見えるかもしれません。
エヌビディアの株式分割と個人投資家への影響
5月22日付のバンダ・リサーチのレポートによると、エヌビディアはすでに個人投資家の間で保有銘柄のトップとなっており、同レポートはエヌビディアの「卓越した株価パフォーマンス」が人気の理由だと指摘しています。エヌビディアは、昨年の約240%の急騰に加え、今年に入って2倍以上になっています。
株式分割後のパフォーマンスと将来展望
BofAは株式分割を「強さの証」と見ており、株式分割を行った企業は翌年に強いリターンを得る傾向があると指摘しています。歴史的に、株式分割が発表された後の12ヶ月間のトータルリターンは、指数の12%に対し、25%を記録しています。しかし、分割は強い勢いを示す一方で、厳しい環境下で企業が苦戦することもあるため、「アウトパフォームは保証できない」とも付け加えています。
エヌビディアの今回の分割は、3年前に行われた1対4の分割に続き、近年2度目の分割となります。近年分割を行った他のメガハイテク株には、アップル(AAPL)やテスラ(TSLA)などがあり、これらの企業も分割後に株価が上昇する傾向を示しています。
まとめ
エヌビディアの株式分割発表は、投資家にとって新たなチャンスを提供するかもしれません。株価が下がることで、特に個人投資家にとってアクセスしやすい銘柄となる可能性があります。歴史的なデータを考慮すると、分割後のリターンも期待できますが、市場環境や企業のパフォーマンスに依存するため、注意が必要です。エヌビディアの動きは、他の高株価銘柄にも影響を与える可能性があり、今後の市場動向に注目が集まります。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA