エヌビディア第1四半期決算発表:売上高と利益が予想を大幅に上回る

エヌビディア(NVDA)は、2024年5月22日(水曜日)に発表した第1四半期の決算報告において、売上高が前年同期比で262%増の260億ドルに達し、前四半期比でも18%増加したと発表しました。同社の利益は1株当たり5.98ドルで、前年同期比629%増、前四半期比21%増という驚異的な成長を示しました。これらの数値はウォール街の予想を大幅に上回り、アナリストらの予想売上高246億ドル、1株当たり利益5.60ドルを軽々と超えました。

次期ガイダンスとAIチップの需要

エヌビディアは、7月期の売上高ガイダンスを280億ドルと発表し、これもウォール街の平均予想266億ドルを上回りました。同社のチップは、人工知能(AI)プラットフォームにおいて不可欠な存在となっており、クラウドコンピューティングおよびデータセンター向けの売上高は、5倍以上の226億ドルに達し、売上高全体の約87%を占めるに至っています。

次世代AIアクセラレーション・チップ「Blackwell」

エヌビディアはまた、次世代AIアクセラレーション・チップ「Blackwell」の生産を開始したことを発表しました。この新しいチップは現在のHopperチップの4倍速く処理できる能力を持っています。

時間外取引で1000ドル超え

決算発表後、同社の株価は時間外取引で急騰。6.8%高の1,014ドルとついに1000ドルを超える株価で取引されています(米国東部夏時間5:37 PM現在)。

株式分割と配当の増加

エヌビディアは今四半期の業績とともに、6月10日に株式を1株につき10株の割合で分割することを発表しました。また、四半期配当を1株当たり4セントから10セントに引き上げ、分割後は少なくとも1セントとなります。

AIインフラ市場における競争

エヌビディアの売上の80%以上はクラウドデータセンター向けとなっており、マイクロソフト(MSFT)やフェイスブックの親会社メタ・プラットフォームズ(META)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)などが大口の顧客です。オッペンハイマーのアナリスト、リック・シェーファー氏は、データセンターの売上が4月期に400%以上跳ね上がったと考えています。AIインフラにおける競争は、マイクロソフト、アマゾン、アルファベット(GOOGL)のグーグル部門などの間で激化しています。

今後の見通しと目標株価

エヌビディアは、急勾配の成長軌跡から、1四半期先のガイダンスしか示さない傾向にあります。ウォール街の7月期売上高コンセンサス予想は266億ドルで、前年同期比で倍増となりますが、アナリストが期待する4月期の3.5倍の成長には及びません。今後数四半期でエヌビディアの成長速度が緩やかになったとしても、AIアクセラレーション市場におけるエヌビディアのリードは揺るぎないものとなりそうです。

ベアードのアナリスト、トリスタン・ゲラ氏は、「今年と来年に提供されるエヌビディアの製品にかなうものはない」と書き、エヌビディアの目標株価を1050ドルから1200ドルに引き上げました。

まとめ

エヌビディアの第1四半期決算は、売上高および利益の大幅な増加を示し、ウォール街の予想を大幅に上回る結果となりました。次世代AIアクセラレーション・チップ「Blackwell」の生産開始や株式分割、配当の増加など、同社の成長と株主への利益還元の姿勢が鮮明に示されています。今後もAIインフラ市場における競争が激化する中で、エヌビディアの優位性は揺るがないものと見られています。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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