モルガン・スタンレーのアナリスト、ジョセフ・ムーア氏は5月20日、マイクロン・テクノロジー(MU)の格付けを引き上げ、「弱気論は間違いだった」と発言しました。
アンダーウェイトからイコールウェイトへ格上げ
ムーア氏は、マイクロンの格付けを「アンダーウェイト」から「イコールウェイト」に引き上げました。その背景には、広帯域幅メモリ(HBM)の市場動向が影響しています。ムーア氏はこれまでHBMの重要性を過小評価していたと認め、「高帯域幅メモリはAIのボトルネック技術として浮上している」と述べています。
マイクロンの株価は、今年に入って51%上昇し、過去1年で95%も上昇しています。これにより、S&P500種株価指数の中でも最高のパフォーマンスを記録しています。
HBM3とマイクロンの戦略
「マイクロンはHBM3フェーズを逃したが、強力な3e製品を持っており、第2位の地位を固めるだろう」とムーア氏は書いています。これにより、マイクロンは今後の市場での地位を確立しつつあります。
四半期決算の明るい見通し
ムーア氏は、マイクロンが今後の投資家向けカンファレンスで、四半期決算の良好な事前発表を行う可能性があると予想しています。これにより、さらなる株価上昇が期待されます。
広帯域幅メモリのトレンドとDRAM市場への影響
ムーア氏によると、広帯域幅メモリのトレンドは、AI以外のDRAM消費市場にも影響を与えています。現在、DRAM市場の大部分は低調ですが、広帯域幅メモリの需要増加が全体的な価格上昇に寄与しています。
NANDメモリの見通し
ムーア氏は、NANDメモリについても強気に転じています。来年には、NANDメモリが主要な成長ドライバーとなると予想しています。
マイクロンの財務健全性
ムーア氏は以前、マイクロンが「キャッシュを使い果たし、損失を出し、実質的な簿価を侵食する」と懸念していましたが、現在ではその懸念が過大であったと認めています。それでも、ムーア氏は「長期的なディスカウント・キャッシュ・フロー指標では基本的に割高」とし、完全な強気には転じていません。
目標株価の引き上げ
ムーア氏は、マイクロンの目標株価を98ドルから130ドルに引き上げました。これは、マイクロンの強力な製品ラインと市場での成長期待を反映しています。
まとめ
マイクロン・テクノロジーは、広帯域幅メモリ市場での戦略的なポジションと財務健全性の改善により、今後も注目すべき企業です。