アーム・ホールディングス(ARM)の株価が、好決算の発表にも関わらず、5月8日のアフターマーケットで9%下落しました。
四半期決算のハイライト
アームの四半期決算は市場の予想を大きく上回りました。3月31日に終了した第4四半期の売上高は前年同期比で21%増の9億2,800万ドルとなり、見込みレンジの上限である9億ドルを超えています。特に注目すべきは、非GAAPベースの利益が1株当たり36セントで、予想範囲の28〜32セントを上回った点です。
ロイヤリティ収入とライセンス収入の増加
ロイヤリティ収入は37%増の5億1400万ドルと大幅に増加しており、ライセンス収入も60%増の4億1,400万ドルとなりました。これらの収入の増加は、人工知能アプリケーション用チップに関連する高価値ライセンス契約が貢献しています。
2025年度の業績予測
アームは2025年度の売上高を38億ドル〜41億ドル、調整後利益を1株当たり1.45ドル〜1.65ドルと予想しています。これはウォール街の予想とほぼ一致しているものの、一部の投資家はさらなる成長を期待していた可能性があります。
市場の反応と株価の動向
アームの株価は時間外取引で9%の大幅な下落を見せ、96.56ドルまで落ち込みました。この下落は、四半期の好業績にもかかわらず、市場がより高い成長予測を期待していたことが原因かもしれません。また、発行済み株式の約90%を引き続き保有するソフトバンク・グループによる支配的な立場が市場に与える影響も考慮に入れる必要があります。
アームの戦略と今後の見通し
アームはAIデータセンターでのエネルギー効率の高いコンピューティング、コンピューティング・サブシステムに対する需要の増加など、多くの成長ドライバーを持っています。同社はこれらの要素が組み合わさることで、長期的に持続可能な成長を達成すると見込んでいます。
まとめ
アームホールディングスの株価は短期的には下落していますが、その業績は堅調で、長期的な成長ポテンシャルは依然として高いと評価されます。投資家は、会社の戦略と市場の期待とのギャップを理解し、適切な投資判断を下すことが重要です。
*過去記事「アーム株価暴落の裏側:アナリスト評価と市場の不安定さ」