バリュエーションに疑問符、パランティアの株価動向に注目

データ分析ソフトウェア企業であるパランティア・テクノロジーズ(PLTR)は、5月6日に発表した最新の四半期報告で、売上高と営業利益がアナリストの予想を上回る強力な業績を示しました。2024年3月期の売上高は6億3400万ドルで、前年同期比21%増加しました。特に注目すべきは、米国の商業顧客からの支持が続いており、そのセグメントだけで前年比40%増の成長を遂げている点です。

株価の大幅な変動に見る市場の反応

パランティアの株価は、6日の取引で8.1%上昇した後、7日には14%以上の大幅な下落を記録し21.6ドルあまりで取引されています。この下落は、株価が割高であるとのアナリストからの指摘によるものです。四半期の好調な業績にもかかわらず、市場はバリュエーションに懸念を抱いているようです。

アナリストの見解:持続可能な成長への疑問

シティのアナリスト、タイラー・ラドケ氏は、パランティアの売上高倍率がソフトウェア・セクターで最も高いと指摘しています。同氏は、パランティアが高いバリュエーションを正当化するためには、より強力な実行と成長を一貫して示す必要があると述べています。この見解は、米国みずほ証券のグレッグ・モスコウィッツ氏によっても共有されており、同氏は同様に「中立」の格付けを維持しています。

ウィリアム・ブレアのアナリスト、ルイ・ディパルマ氏は、同社株の「アンダーパフォーム」の格付けを再表明し、「同社の米国での商業的な勢いが持続可能だとは思わない」と述べています。同氏は、「驚くべきことに」パランティアの2024年の売上高ガイダンスである約27億ドルは、株価が8ドルで取引されていた昨年4月のコンセンサス予想を下回っていると指摘しています。

ウェドブッシュのアナリスト、ダン・アイブス氏はより強気なスタンスで、「パランティアは堅調な数字を発表した」と主張し、このニュースによる反落は「絶好の買い場」だと述べています。同氏は「アウトパフォーム」のレーティングと35ドルの目標株価を維持しています。

パランティアの長期展望と戦略

CEOのアレックス・カープ氏は、アメリカが世界のどの地域よりもテクノロジー、特にAIの導入に積極的であると述べています。同氏はパランティアが大規模言語モデル(LLM)を商業的に価値あるものにするための適切なインフラを提供していると説明しており、これがアメリカのGDPの軌道を変える可能性があると強調しています。

パランティアの防衛および情報機関への貢献

パランティアは、米軍およびその同盟国、特にイスラエル国防軍への支援を続けており、そのソフトウェアが軍事用途で重要な役割を果たしていることを強調しています。この技術は、最終的には戦争の形態を変え、平和の実現に貢献する可能性があるとカープ氏は述べています。

まとめ

パランティアの四半期業績は、企業の堅実な成長を示していますが、市場は同社のバリュエーションに懸念を持ち続けています。アナリストの意見は分かれており、一部は強気、一部は中立または弱気と評価しています。投資家は、この高ボラティリティの環境で慎重に戦略を練る必要があります。

*過去記事はこちら パランティア PLTR

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