配当貴族(Dividend Aristocrats)とは、特定の基準を満たす米国株のことを指します。米国の株式市場で長期間にわたって安定した配当を支払い続け、かつ配当額を少なくとも25年連続で増加させている企業がそう呼ばれます。具体的には、スタンダード&プアーズ社が編成する「S&P 500」に含まれる企業の中から選ばれます。
主な特徴
- 配当の安定性と成長性: 配当貴族は、経済の変動に関わらず一定の収益とキャッシュフローを維持し、配当を増やし続ける能力があります。これは、業界内での強固な地位や、一貫した業績があるためです。
- 堅実な財務状況: 長期にわたって配当を増加させるためには、企業は堅実な財務構造を維持している必要があります。このため、多くの配当貴族は低い負債比率と高い利益率を特徴としています。
- 株価の安定性: 配当貴族に分類される企業は、一般的に市場の下落時にも比較的安定した株価を保つ傾向があります。投資家にとってはリスクが低減されるため、長期的な投資対象として魅力的です。
過去5年間の配当のCAGRが最も高い24銘柄
マーケットウォッチ(財務情報、ビジネスニュース、分析、および株式市場データを提供するWebサイト)が配当貴族152銘柄の中から年間配当の5年間の複合年間成長率(CAGR)が10%を超える24銘柄をスクリーニングして発表していますので、ご紹介します。
*企業概要はティッカーのリンクからご確認ください。
会社名 | ティッカー | 5年間の配当CAGR | 5年前に購入した株式の配当利回り | 5年前の配当利回り | 現在の配当利回り | 5年間の株価上昇率 | 5年間のトータル・リターン |
マイクロチップ・テクノロジー | MCHP | 19.80% | 3.60% | 1.46% | 1.96% | 84% | 99% |
ウィリアムズ・ソノマ | WSM | 18.70% | 7.91% | 3.36% | 1.58% | 402% | 462% |
ロウズ・カンパニーズ | LOW | 18.00% | 3.89% | 1.70% | 1.93% | 102% | 121% |
カーライル・カンパニーズ | CSL | 16.30% | 2.40% | 1.13% | 0.88% | 175% | 192% |
ウェストレイク | WLK | 14.90% | 2.87% | 1.43% | 1.36% | 111% | 127% |
ベスト・バイ | BBY | 13.50% | 5.05% | 2.69% | 5.11% | -1% | 18% |
アフラック | AFL | 13.10% | 3.97% | 2.14% | 2.39% | 66% | 88% |
ファスナル | FAST | 12.60% | 4.42% | 2.44% | 2.30% | 93% | 120% |
バジャー・メーター | BMI | 12.50% | 1.95% | 1.08% | 0.59% | 230% | 245% |
アメリカン・ファイナンシャル・グループ | AFG | 12.20% | 2.74% | 1.55% | 2.22% | 23% | 105% |
オートマチック・データ・プロセッシング | ADP | 12.10% | 3.41% | 1.92% | 2.32% | 47% | 64% |
シルガン・ホールディングス | SLGN | 11.60% | 2.54% | 1.47% | 1.63% | 56% | 68% |
フランクリン・エレクトリック | FELE | 11.50% | 2.05% | 1.19% | 1.04% | 97% | 107% |
ターゲット | TGT | 11.40% | 5.68% | 3.31% | 2.73% | 108% | 133% |
アボット・ラボラトリーズ | ABT | 11.40% | 2.77% | 1.61% | 2.08% | 33% | 45% |
アナログ・デバイセズ | ADI | 11.20% | 3.17% | 1.86% | 1.83% | 73% | 90% |
バンクOZK | OZK | 11.10% | 4.78% | 2.82% | 3.49% | 37% | 63% |
L3ハリス・テクノロジーズ | LHX | 11.10% | 2.75% | 1.63% | 2.17% | 27% | 40% |
テキサス・インスツルメンツ | TXN | 11.00% | 4.41% | 2.61% | 2.95% | 50% | 72% |
リンデ | LIN | 11.00% | 3.08% | 1.83% | 1.26% | 145% | 164% |
ナイキ | NKE | 11.00% | 1.69% | 1.00% | 1.60% | 5% | 11% |
ネクステラ・エナジー | NEE | 10.50% | 4.24% | 2.57% | 3.08% | 38% | 55% |
Tロウ・プライス・グループ | TROW | 10.30% | 4.61% | 2.83% | 4.53% | 2% | 22% |
ブラウン・アンド・ブラウン | BRO | 10.20% | 1.64% | 1.01% | 0.64% | 157% | 167% |
5年間の配当CAGRが最も高い銘柄はマイクロチップ・テクノロジーでした。5年前の配当利回りは1.46%とあまり高くなく、現在の利回りも1.96%に過ぎません。しかし、もし5年前にこの株を買ってからずっと保有していたとすると、5年前に購入した株の利回りは3.6%、株価は99%上昇していることになります。
2位につけたウィリアムズ・ソノマは5年前の配当利回り3.36%から現在の利回り1.58%と配当利回りそのものは下落していますが、株価が402%上昇していることが影響しており、5年前に購入した株式の配当利回りは7.91%に達しています。トータル・リターンは462%と24銘柄の中では最も高いリターンを記録しています。
*過去記事はこちら 配当株