アマゾン(AMZN)は5月2日、同社のクラウド・コンピューティング部門であるアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)が、クラウドストライク・ホールディングス(CRWD)の提供する先進的なサイバー脅威防御サービスを採用したことを発表しました。この決定により、アマゾンは他のセキュリティ製品の使用を中止し、クラウドストライクの技術に完全に移行することになります。
アマゾンとクラウドストライクの「戦略的パートナーシップ」の詳細
両社はこのパートナーシップを拡大することを発表し、AWSのセキュリティ対策の強化を図ることで合意しました。具体的な金銭的取り決めは公開されていませんが、この合意は業界内での大きな話題となっています。クラウドストライクの株価は、このニュースが公になった後、2日の米国市場で3%以上上昇しています。
AWSのセキュリティ対策とクラウドストライク製品の採用状況
アマゾンの最高情報セキュリティ責任者、CJ・モーゼス氏によると、AWSとその他のアマゾン部門は、クラウドストライクの最新のセキュリティ監視プラットフォームの採用をほぼ完了しています。これにより、従業員の認証情報による漏洩を防ぐサービスが強化されます。また、これらのセキュリティプログラムは、年内にアマゾン全体で展開される予定です。
セキュリティ業界におけるアマゾンの位置づけ
モーゼス氏は、「宇宙の衛星から配送車両まで、アマゾンはあらゆるものをセキュアにするために努力している」と述べています。クラウドストライクの製品は、アマゾンが以前に独自に開発したツールや、他のセキュリティプロバイダーの製品に取って代わる形で導入されます。
セキュリティ市場でのシンプルかつ統一されたソリューションの重要性
クラウドストライクのCEO、ジョージ・カーツ氏は、アマゾンのこの動きが、市場で見られる一般的なトレンドと一致すると指摘しました。顧客はより少ないベンダーに依存することを望んでおり、アマゾンの選択はこの需要に応えるものです。カーツ氏は、サイバーセキュリティ市場で最も影響力のあるプレイヤーの一人であるマイクロソフト(MSFT)などの競合他社も同様の需要があることを指摘していると述べています。
まとめ
アマゾンとクラウドストライクの間で成立したこの新しい戦略的パートナーシップは、サイバーセキュリティの未来を形作る重要な一歩です。アマゾンは、先進的なセキュリティソリューションを通じて、そのインフラと顧客データを保護することに注力しています。このような大規模な技術シフトは、業界全体におけるセキュリティのアプローチとベンダー選択において、新たな基準を設定する可能性があります。
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