アマゾン(AMZN)は、4月30日のマーケット終了後に第1四半期決算を発表する予定です。市場の注目は、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の成長と堅調な消費者支出に集中していますが、投資家の間で高まる期待は、いつアマゾンが配当を開始するかという点にも及んでいます。
S&P 500内でのアマゾンの位置
アマゾンは、S&P 500指数に含まれる中で、数兆ドルの時価総額を持つにも関わらず配当を支払っていない数少ない企業の一つです。同じカテゴリーの他の大企業、例えばマイクロソフト(MSFT)、アップル(AAPL)、アルファベット(GOOGL)、メタ・プラットフォームズ(META)、さらには注目のAI銘柄であるエヌビディア(NVDA)までもが配当を実施しています。
配当を支払うべきか
アマゾンのフリーキャッシュフローは過去10年間で約900億ドルに達していますが、その中で自社株買いに充てられた金額わずか60億ドルで、これは全体の約7%に過ぎません。対照的に、他の1 兆ドル企業は、自社株買いに大きく偏っているものの、過去12ヶ月で生成したフリーキャッシュフローの約75%を株主還元に使用しています。このデータは、アマゾンが配当を導入するための財務的余裕があることを示唆しています。
予想される配当利回り
ウォール街のアナリストによれば、アマゾンのフリーキャッシュフローは2024年に約620億ドル、2025年には820億ドルに達すると予測されています。2024年のフリーキャッシュフローの75%を配当に充てた場合、その利回りは2.4%になると見込まれます。これはS&P 500の平均配当利回り2.2%を上回る数字です。
まとめ
アマゾンがこれまで配当を実施してこなかったことは、そのビジネスモデルと成長戦略に基づいていましたが、現在の財務状況と市場の期待を考えると、配当政策の導入に向けた適切なタイミングと言えるでしょう。投資家にとって、アマゾンの将来的な配当導入は、新たな投資魅力の源泉となり得ます。今後の発表が待たれるところです。
*過去記事はこちら アマゾン AMZN