4月25日に3月期決算を発表したマイクロソフト(MSFT)。好業績だった決算内容を高く評価する声がアナリストからあがっています。
メリアス・リサーチのアナリストの評価
メリアス・リサーチのアナリスト、ベン・ライツェス氏はマイクロソフトの業績は「多くの点で堅実」であったと評価しています。
そして、いくつかの理由から、業績はさらに良くなる用意がある、と同氏は26日付けkのメモで主張しました。ひとつは、同社のAzureクラウドコンピューティング事業が、急成長する人工知能の需要を満たすのに十分なキャパシティを持っていないこと。さらに、同社はAIソフトウェア機能「Copilot」による経済的利益を享受し始めており、これが今後の収益向上に寄与することが期待されることです。
マイクロソフトは、前四半期にAzure事業を31%成長させ、AIはその成長に7%貢献しました。そして、キャパシティーの制約を考慮すれば、マイクロソフトが計上した貢献は「さらに良くなっていた可能性がある」とライツェス氏は書いています。
このAI事業の成長は『AIゴールドラッシュ』を裏付けるものだとライツェス氏は述べ、「マイクロソフトは今、莫大な収益ベースで最速の成長を遂げており、様々な制約をうまく乗り越えている」と評価しています。
同氏はまた、AIの助けを借りて様々なソフトウェア製品をより便利にするCopilotの提供による同社の可能性を強調しています。価格面でのメリットも期待できますが、マイクロソフトにとっては、外部のAIアシスタントにとっても必要なインターフェースになることが、間違いなく大きなチャンスになると同氏は見ています。
ライツェス氏はマイクロソフトの格付けを「買い」とし、目標株価を26日の終値より17%高い475ドルに設定しています。
バーンスタインのアナリストの評価
バーンスタインのマーク・モアドラー氏は、マイクロソフトの決算説明会で、AIが同社のビジネスの中核になりつつあるという印象を持ったいいます。
「世界は生成AIイノベーション・サイクルの黎明期にあり、マイクロソフトはその中心に位置していることを忘れてはならない。同社は、Azure AIを推進するために、最も完全なAI技術スタック、AIツール、AIスーパーコンピューティング能力を構築しており、ユニークな立場にある」と同氏は評しています。
モアドラー氏は、マイクロソフトの数字以外にも勇気づけられたことがあったとして「本当に輝いていたのは、経営陣の事業と事業の将来に対する熱意だった」と述べてもいます。
同氏は、格付けを「アウトパフォーム」とし、目標株価を決算発表前の465ドルから489ドルに引き上げました。
エバコアISIのアナリストの評価
エバコアISIのカーク・マテルネ氏は、マイクロソフトをAIとクラウドの領域における「スーパータンカー」と呼んでいます。
「我々は、(マイクロソフトは)いくつかの(スモールビジネスの)逆風とAIサービスの容量制約にもかかわらず、これらの結果が提供されたように、(暦年2024年の)残りに向かって非常に強力なポジションを維持していると信じている」と同氏は書いています。
Office 365のCopilotが下半期にユーザー1人当たりの平均売上高をより大きく押し上げる一方、「Azureは引き続きシェアを拡大する強いポジションにある」と同氏は考えています。
同氏は、格付けを「アウトパフォーム」とし、目標株価を475ドルから485ドルに引き上げました。
*過去記事 マイクロソフト MSFT