テスラ(TSLA)の株価は、4月23日の市場終了後に発表された第1四半期決算の後、時間外取引で13%の急上昇を見せました。この急騰は、イーロン・マスクCEOが次世代車両の生産スケジュールに関する重要なアップデートを行なったことによるものです。マスクCEOは、予定されていた2025年後半の開始を前倒しし、2025年初頭に新型車の生産が可能になる見通しを示しました。これは、投資家にとって非常にポジティブなニュースと受け止められました。
売上と利益の現状
ブルームバーグによると、テスラの第1四半期の調整後1株当たり利益は0.45ドルで、市場予想の0.52ドルを下回りました。売上高も前年比9%減少し、4年ぶりの低迷を記録。しかし、営業利益と調整後の純利益は予想を下回りながらも、12億ドルと15億ドルの利益を計上しています。
新車両ラインアップとロボットタクシーの進捗
テスラは、より手頃な価格の新車両を含む将来のラインアップについて、現在の製造ラインを流用しつつ、次世代プラットフォームの利点を生かす方針を明らかにしました。
一方、「専用ロボットタクシー」は、画期的な「アンボックスト(unboxed)」生産ラインを使って製造されると説明しています。これは同社が2023年3月に発表した生産ラインのアイデアで、車両をある程度まとまった部品単位である「モジュール」に分けて別々に造った後、それらを一体化して1台の車両に組み立てるものです。
価格調整と市場動向
第1四半期、テスラの世界販売台数は386,810台と予想の449,080台を大きく下回り、生産台数も433,371台と同じく予想の452,976台を下回りました。テスラは決算報告の中で、サイバートラックの生産台数が4月に週1000台を達成したことを明らかにしています。
第1四半期にテスラの世界販売台数が予想を大きく下回り、生産台数との間に約46,500台の差が生じました。これは、世界的な需要の減退が原因であり、テスラは価格引き下げに踏み切ることで対応しています。この戦略は、特に米国と中国市場で実施されています。
投資家の見解と市場の期待
投資家は、テスラの次世代プラットフォームと30,000ドル以下の新モデル(モデル2)の発表を熱心に待ち望んでいます。これらの低価格EVは、テスラのボリュームセグメントを強化すると見られています。テスラの革新的なアプローチと製造戦略は、市場に新たな活力をもたらす可能性が高いと評価されています。
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