アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の株価が、4月16日の市場で2%高の163.46ドルと上昇しました。これはHSBCのアナリスト、フランク・リー氏による投資評価の格上げによるもので、同氏はAMDの格付けを「ホールド」から「買い」に格上げし、目標株価を180ドルから225ドルへと大幅に引き上げました。これは、16日の終値から38%の上昇余地があると見る高い目標株価です。
AMDの競争戦略と株価の急騰
AMDはPCやサーバープロセッサーの製造でインテル(INTC)と競合しており、その株価は今年に入ってから11%上昇し、過去1年では82%もの急上昇を記録しています。しかし、この1ヶ月の間では10%の下落もして株価の動きは軟調でした。そんな中、ウォール街で注目されているのは、AMDがエヌビディアに対抗しようとしている点です。
MI300の市場予想とAMDの成長可能性
リー氏によると、MI300の売上に対する市場の期待は、60億ドル〜80億ドルの範囲から、400万ドル〜から50億ドルの範囲にダウンしました。2025年の販売予測も100億ドル〜120億ドルから90億ドル〜100億ドルへと下方修正されています。AMD自身のガイダンスは、2024年の売上高を少なくとも35億ドルとしていますが、HSBCは50億ドル以上になる可能性があると見ています。
AMDのAI半導体市場での将来性
AMDの次期AIデータセンター向けチップ群(MI350、MI375、MI400)は、2024年後半に発売される予定で、エヌビディア(NVDA)の次世代プロセッサー、ブラックウェル B200と直接競合するとされています。
リー氏は、AMDが2025年にAI半導体市場の10%を占め、その売上高が123億ドルに達すると予測しています。これは市場予測の91億ドルを大きく上回る数値です。同氏はさらに、強気のケースとしてAMDが市場の15%を占めるとし、来年のAI半導体による貢献は185億ドルに達するとしています。
AMDの1株当たり利益予想を、今年は3.83ドルから4.08ドルに、来年は7.41ドルから9.20ドルに同氏は引き上げています。このような強気の予測は、投資家にとってさらなる成長の機会を示唆しています。
まとめ
AMD株は現在、強い成長のポテンシャルを持ち、特にAIとデータセンター市場におけるその展望は、投資家にとって魅力的な選択肢となっています。HSBCによる格上げは、AMD株にとってさらなる上昇の火付け役となる可能性があります。
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