エヌビディアの優位性とは?総所有コストで解明するAIハードウェア戦争

エヌビディア(NVIDIA)の株価は、4月9日に3月下旬に記録した終値の最高値950.02ドルから10%以上下落して調整領域に入りましたが、10日の市場では2%高を記録するなど見事な反発を見せました。

エヌビディアと顧客との関係

エヌビディアは、そのハードウェアを使用してAI技術を動かしている最大の顧客との競争に直面しています。特に、アルファベット(GOOGL)は今週、自社製TPUプロセッサを使用してGemini AIモデルをトレーニングしていることを明らかにしました。これはエヌビディアのGPUが顧客が自社開発した製品との厳しい競争にさらされていることを意味します。しかし、アルファベットはエヌビディアの新しいブラックウェル・シリーズのチップを来年早々にクラウド顧客に提供することも発表し、双方の関係は複雑な様相を呈しています。

エヌビディア製品の優位性

このような競争が激化する中、エヌビディアのCEO、ジェンスン・フアン氏は、総所有コスト(TCO)における同社の優位性を強調し、間接的なコストを考慮に入れた場合のエヌビディアの価値を訴えてきました。モルガン・スタンレーのアナリスト、ジョセフ・ムーア氏は、10日付けのリサーチノートでこの論点について言及。AIプロセッサのスロットが限られているため、ROI(投資利益率)が最も高いプロセッサであるエヌビディアの製品が優位に立っていることを指摘しています。

同氏は、エヌビディア株の目標株価を795ドルから1000ドルに引き上げ、「オーバーウェイト」の格付けを維持しています。

株価の展望と市場の動向

エヌビディアの株価は今年に入ってから76%上昇し、S&P 500指数やナスダック総合株価指数の上昇率を大きく上回っています。これは、AI技術の進展とその応用が広がる中で、エヌビディアのハードウェアが中心的な役割を果たしていることの証左です。市場の動向を見据え、エヌビディアはその戦略をさらに磨き、技術革新の先端を行く企業としての地位を確固たるものにしています。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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