今年、テクノロジー業界で特に目立っていたのは、ソフトウェア会社パランティア・テクノロジーズ（PLTR）の株価です。しかし、その急速な市場価値の上昇にブレーキがかかりそうな兆しです。最近のアナリストによる格付けの引き下げが、パランティアの株価にとって「現実への回帰」を意味しているかもしれません。
パランティア株価の動向
パランティアの株価は、2024年に入ってから一時43%も上昇しました。特に3月6日に発表された1億7840万ドルの米国防省の契約獲得後、注目を集めました。この契約は、パランティアにとって年間売上高で4番目に大きなものと見られ、そのニュースで株価は一時的に10%上昇しました。しかし、Monness, Crespi, Hardt & Co.のブライアン・ホワイト氏が3月28日に発表した最新の分析では、この上昇トレンドに疑問符がつけられました。
アナリストの視点
ホワイト氏は、パランティアの株価を「中立」から「売り」に格下げし、1年後の目標株価を20ドルと設定しました。この評価は、27日の終値から20%近くの下落を示唆しています。「（人工知能の）ロケットに乗って急上昇した後、現実に戻った」と同氏は評し、さらにパランティアの評価額が「ひどくリッチで過剰」であると述べています。ファクトセットのデータによると、パランティアの企業価値は2025年の売上高の18倍となっており、これは、データ・ストレージ企業のスノーフレーク（SNOW）の14倍やクラウド企業のデータドッグ（DDOG）の13.5倍と比べても高い倍率です。
業界内での立ち位置
パランティアは、データ・ストレージやクラウドサービスの競争が激しい市場で、明確な位置を確立しようとしています。しかし、アナリストによると、景気後退の影響がこれから本格化する可能性があり、これが株価にさらなる圧力を加える可能性があります。
まとめ
パランティア株は、過去一年で著しい成長を遂げましたが、アナリストの最新の評価では、その価格が現実と乖離している可能性が示されています。市場の変動や業界内での競争は、投資家にとって重要な考慮事項です。パランティアのような革新的な企業も、その評価が市場の現実に即しているかどうか、常に監視が必要です。
＊過去記事はこちら パランティア PLTR