グーグルの親会社であるアルファベット(GOOGL)が、検索エンジン市場における競争リスクに直面しています。近年、ChatGPTのような生成AI検索エンジンの出現により、投資家の間でアルファベットの検索エンジンの優位性に対する懸念が高まっています。しかし、ウェドブッシュ証券のアナリスト、スコット・デビット氏は、これらの懸念は誇張されていると指摘しています。
デビット氏によると、アルファベットは検索エンジンの市場で長年にわたって圧倒的な存在感を示してきました。この優位性は、同社が持つ多面的な競争力によって支えられています。例えば、アルファベットはテキスト、画像、動画にわたるAIモデルを開発・訓練するための比類ないデータ、Google検索、YouTube、Androidなどのアプリケーションを通じて蓄積された膨大なユーザーベース、カスタムシリコン(TPU)を活用したAIに最適化されたコンピュートインフラ、そして一流のエンジニアリング人材へのアクセスといった面で優位に立っています。
デビット氏は、アルファベットをウェドブッシュのベストアイディア・リストに追加し、同社の目標株価を160ドルから175ドルに引き上げました。この判断は、生成AIの波に乗り、その正味の受益者となるという判断に基づいています。実際、アルファベットは生成AIツール「Geminiスイート」をGoogle検索エンジンに統合し、技術革新の先端を行く姿勢を見せています。
他のAI企業、例えばマイクロソフト(MSFT)がBingでOpenAIのGPTソフトウェアを使用している中、アルファベットの独自のAI開発への投資は、同社にとって大きな競争優位性となっています。効果的な収益化の実績も、アルファベットがこの分野で成功を収める上での重要な要素です。
3月22日の市場でアルファベットの株価は2.15%上昇し、終値は150.77ドルとなりました。今年に入ってからは8%上昇しており、この数字は、アルファベットが依然として強固な市場地位を維持していることを示しています。
アルファベットの検索エンジン事業に対する懸念は、同社が持つ多角的な強みを考慮に入れると、誇張された懸念と言えます。アルファベットは、生成AIの進展を積極的に取り入れながら、検索エンジン市場でのリーダーとしての地位を維持し続ける見込みです。投資家にとって、アルファベットの株式は引き続き魅力的な投資先であり続けています。
*過去記事 アルファベット GOOGL