ブロードコム(AVGO)が3月20日に開催した人工知能(AI)イベントで発表した内容が、同社株に対するウォール街の見方を大きく前向きに変える契機となったようです。特に注目すべきは、TDカウエンのアナリスト、マシュー・ラムゼー氏による格付けの変更です。同氏は、このイベントを受けて、ブロードコムの格付けを「マーケット・パフォーム」から「アウトパフォーム」に引き上げ、目標株価を1,400ドルから1,500ドルへと上修正しました。
このニュースを受けて、21日の市場でブロードコムの株価は一時1400ドルを超えました。この記事を書いている時点(米国東部夏時間02:36PM)では6.25%高の1,355.79ドルで取引されています。過去1年を見ると、同社の株価は驚異的な113%の上昇を記録しています。
ラムゼー氏は、ブロードコムが抱える可能性について言及し、「当社の格付けが過去にこの顕著なフランチャイズに対して悪い方向にあったことを認めるが、成長の持続可能性と多様性、AIコンピューティング/ネットワーキングとソフトウェアの成長/マージンによって、コンセンサス予想を上回る可能性に自信を持っている」と述べています。
同氏は、消費者向け人工知能分野における新たな第3の顧客の発表など、株価を押し上げる可能性のあるいくつかの異なる短期的なカタリストがあることを指摘しています。
シティのアナリスト、クリストファー・ダネリー氏は、この顧客がTikTokの親会社であるバイトダンスだと推測しています。ダネリー氏は、「買い」の格付けと1,560ドルの目標株価を維持しています。
ベンチマークのアナリスト、Cody Acree氏も、AIイベントで発表されたこの新たな顧客について特に言及し、「買い」の格付けと1,720ドルの目標株価を提示しました。また、レイモンド・ジェームズのアナリスト、スリニ・パジュリ氏とジェイコブ・シルバーマン氏も、ブロードコムがデータセンターとAI市場向けに提供する製品の幅広さと深さに感銘を受け、「マーケット・パフォーム」の格付けを与えています。
これらの肯定的な見解は、ブロードコムがAI領域での革新と成長を推進する上で重要な役割を果たしていることを示しています。