近年、人工知能(AI)技術への注目が高まる中、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の株価にもその影響が現れ始めています。メリウス・リサーチのアナリスト、ベン・ライツ氏によると、AMDのAI半導体に対する業界の期待が高まっており、その結果、AMDの株価は今後25%以上上昇するとの見通しを示しています。ライツ氏はAMDの目標株価を192ドルから265ドルへと大幅に引き上げ、「買い」の格付けを維持しています。
AI半導体への期待:AMDの戦略と将来性
ライツ氏によると、マイクロソフトが自社のクラウドコンピューティングプラットフォームAzureにAMDのチップを採用していることが、AMDのAI分野での成功に貢献しています。同氏は「マイクロソフトをアンカーとし、他のクラウドも持ち直していることから、AMDはAIで事前予想より上振れする可能性がある」と述べています。
アナリストからの支持:「買い」の格付けが多数
メリウス・リサーチだけでなく、ファクトセットが調査した49人のアナリストの中で、38人がAMD株を「買い」とし、10人が「中立」、1人が「売り」と評価しています。これは市場全体でAMDに対してす強気の見方がされていることを示しています。
AIハイプとAMDの成長
過去1年でAMD株は150%を超える急騰を遂げ、AIに対する投資家の高い期待を背景に成長を続けています。チップ製造の競合であるエヌビディア(NVDA)も同じ期間に300%近く上昇していますが、ライツ氏は「AMDは”エヌビディアのミニチュア版”のようだが、エヌビディアを売ってはいけない」と述べています。「推論の爆発的な増加に最適化されたチップを持つAMDは、AIモデルが生産に移行するにつれて調子を上げているところだ」と同氏は評価するものの、エヌビディアが “業界の牽引役 “であることから、AMDがエヌビディアの業績に悪影響を与えるとは考えていません。
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