マイクロン・テクノロジー(MU)が人工知能(AI)の世界で新たな地平を切り開いています。シティのアナリスト、クリストファー・ダネリー氏によると、この半導体大手はAI半導体の需要増加の中で大きな受益者となる準備が整っているとのことです。特に、エヌビディア向けの高帯域幅メモリー(HBM)3Eチップの量産開始は、マイクロンにとって重要なマイルストーンです。ダネリー氏はこのニュースを受け、同社株の「買い」の格付けを再確認し、目標株価を95ドルに設定しています。
エヌビディアのH200グラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)向けに提供されるこのHBM3Eチップは、マイクロンがAI技術の進化において重要な役割を果たすことを示しています。ダネリー氏は「マイクロンがAIパーティに参加」と述べ、DRAM業界でSKハイニックスに次ぐ2番目の大手である同社の動きを評価しています。さらに、マイクロンはアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)からの認定を間近に控えており、これによりAMDのAI GPU向けのHBMチップサプライヤーとなることが期待されています。
この動きはマイクロンの株価にも好影響を与え、2月27日の市場で2.84%高の92ドルで取引されています(米国東部時間02:05PM現在)。ダネリー氏は、HBMチップが今年のダイナミック・ランダム・アクセス・メモリー(DRAM)市場全体の17%を占めるようになり、昨年の10%から増加すると予測しています。この予測は、マイクロンが市場の予想を上回る業績を報告できる可能性を示唆しています。
マイクロンは、デスクトップコンピューターやサーバーに使用されるDRAMと、スマートフォンやソリッドステートドライブ(SSD)に搭載されるフラッシュメモリー市場でのリーダーです。同社の最高経営責任者(CTO)、スミット・サダナ氏は、HBM3EとHBM4の強力な製品ラインアップにより、マイクロンがAIの成長を支える絶好の位置にあると述べています。
マイクロン・テクノロジーのこの躍進は、AI技術の未来において、同社がいかに重要な役割を担っているかを明確に示しています。エヌビディアやAMDといった大手との連携は、マイクロンの技術と市場での地位をさらに強化することになると予想されます。AI半導体の需要が高まる中、マイクロン・テクノロジーの戦略と技術革新は、投資家にとって注目すべきポイントです。
*過去記事「AIの未来を塗り替えるマイクロンのメモリ3Eチップ:エヌビディアH200に搭載」