2月26日からバルセロナで開催される世界最大のモバイル・コミュニケーション見本市、モバイル・ワールド・コングレス（MWC）が、技術愛好家や業界関係者の注目を集めています。近年、MWCは単なるモバイルショーを超え、幅広いテクノロジーの展示会としての地位を確立してきました。特に今年は、スマートフォン業界が人工知能（AI）を次なる大きなブレイクスルーと位置付ける中、スマートフォンが再び中心的な舞台に返り咲くことが予想されます。
アップルとの競争を超えて
アップル（AAPL）がスマートフォン市場で強力なプレーヤーであることは周知の事実ですが、競合他社はこの巨人に挑戦し続けています。特にサムスン電子は、AIソフトウェアを搭載したGalaxy S24 Ultraを発表し、市場でのポジションを確立しようとしています。このデバイスはすでに世界中で販売されており、予約販売台数は前モデルと比較して二桁の増加を記録しているとのこと。MWCでのサムスンの展示は、特にS24 UltraのAI機能が注目されそうです。
AIスマートフォンの市場は拡大中
カナリスの調査によると、AIを搭載したスマートフォンの市場シェアは、2024年の5%から2027年には45%まで急速に拡大すると予測されています。この数字は、スマートフォンとAI技術の融合が今後数年間でどれだけ進化するかを示唆しています。
グーグルのAI戦略
アルファベット（GOOGL）傘下のグーグルも、AIに大きく注目しています。同社は既にPixel 8 ProにAIを統合し、デバイス上での会話要約などの機能を実現しています。MWCでは、Google DeepMindのCEO、デミス・ハサビス氏の基調講演が、同社のAI戦略に関するさらなる洞察を提供する可能性があります。
Honorの進化とAI
中国のHonorは、AIを搭載したMagic 6 Proを世界市場に向けて発表する予定です。このデバイスは、70億パラメータの大規模言語AIモデルを搭載し、ユーザーの意図を予測し、よりスムーズな操作性を実現することを目指しています。
クアルコムの野心的な技術
クアルコム（QCOM）は、Snapdragon 8 Gen 3プロセッサを搭載したAIスマートフォンに電力を供給しており、TモバイルUS（TMUS）との提携を通じて、アプリのないスマートフォンのコンセプトを発表する予定です。この新しいアプローチが成功すれば、モバイル経済に大きな変革をもたらす可能性があります。
MWCは、スマートフォンとAIの融合が進む中、今後のモバイル技術の動向を理解する絶好の機会を提供します。各メーカーがどのようなイノベーションを披露するのか、業界の未来にとって非常に興味深い時期です。