過去1年間、エヌビディア(NVDA)とスーパー・マイクロ・コンピュータ(SMCI)がそれぞれ240%、760%という驚異的な株価上昇を遂げ、市場で大きな注目を集めました。これらの企業の成功は、人工知能(AI)関連株への投資家の関心をさらに高める結果となりました。
現在、この関心はアーム・ホールディングス(ARM)に移りつつあります。わずか数日間で30%近く急騰し、先週の決算発表以来、その価格はほぼ2倍にまで上昇しました。このような爆発的な価格の動きは、アームがAIトレンドにおける次の大化け株になる可能性があるという憶測を掻き立てています。
しかし、米国みずほ証券のアナリスト、ジョーダン・クライン氏は、アームの最新決算とガイダンスは「非常に印象的」であるものの、この株価上昇を完全に説明するものではないと指摘します。クライン氏はこの株価の動きを、個人投資家の活発な動きによるものと見ています。これは、半導体セクター全体で見られるトレンドとも一致しており、投資家たちはAIの「次の鍵となるイネーブラー」を求めて積極的に資金を投じていると同氏は評しています。
ファクトセットの調査によると、アナリストたちは2025会計年度の調整後1株当たり利益を1.49ドルと予想していますが、これは1月下旬のコンセンサス予想1.36ドルから大きく変わっていません。にもかかわらず、アームの株価は2025会計年度の予想一株利益の100倍で取引されており、バリュエーションが市場において一時的に無視されている状況が見受けられます。
クライン氏は、ソフトバンクが株式の90%を保有しているため、市場に出回るアームの浮動株が最小限であることが、株価の急騰をさらに加速させる要因になっていると指摘しています。