生成AIが実際に業務に役立つのかわからないという声がある中、ビジネスにおいて具体的な成果を出していることが現在進行中の決算シーズンの中で明らかになっています。
パランティア・テクノロジーズの爆発的な成長
パランティア・テクノロジーズ(PLTR)は、米国における同社の商業ビジネスが前四半期に70%の成長を遂げたことを発表しました。アレックス・カープ最高経営責任者(CEO)は、この結果は、「人工知能プラットフォームに対する・・・業界やセクターを超えた需要の急増」を反映していると、株主宛てのレターの中で述べています。
マイクロソフト、サービスナウ、IBMの動向
マイクロソフト(MSFT )のCEO、サティア・ナデラ氏は先週の決算報告で、「我々はAIについて語ることから、AIを大規模に適用することへと移行した……我々の技術スタックのあらゆる層にAIを浸透させることで、我々は新たな顧客を獲得し、あらゆる部門で新たな利益と生産性の向上を促進する手助けをしている」と述べています。AIワークロードは、12月四半期のマイクロソフトのAzureクラウド事業における28%の恒常為替レートベースの売上成長率のうち、6ポイントに貢献したとマイクロソフトは説明しています。
サービスナウ(NOW)のCEO、ビル・マクダーモット氏は、生成AIが既に高性能を誇る同社エンジンに新たな燃料を注入したと述べました。また、IBMのアルビンド・クリシュナCEOは、生成AIのビジネスブックが前四半期から倍増したことを明らかにしました。
クラウドインフラへの投資の増加
AI関連ソフトウェアの需要に応えるため、アマゾン・ドット・コム(AMZN)を含む複数の企業がクラウドインフラへの投資を増やしています。この動きは、AI関連のクラウド支出の急増への思惑を誘発し、エヌビディア(NVDA)やアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)などの半導体製造企業の株価上昇につながっています。
インフラ関連企業の株価上昇
AIブーストを見越して、メタなどにストレージシステムを販売するピュア・ストレージ(PSTG)は年初来で17%上昇し、売上の半分をマイクロソフトとメタから得るネットワーク企業のアリスタ・ネットワークス(ANET)は13%上昇しました。
ハイエンド・チップの需要急増への期待から、台湾セミコンダクタ・マニュファクチャリング(TSMC)は14%上昇し、半導体装置プロバイダーのASMLホールディング(ASML)は18%上昇しました。また、AI関連のネットワーク・アプリケーション向けチップの主要サプライヤーであるブロードコム(AVGO)は10%上昇しています。
メタ、SAP、IBM、アマゾン、サービスナウ、オラクルはいずれも年初来で10%以上上昇しています。特筆すべきはデータセンター・サーバーを製造するスーパー・マイクロ・コンピュータ(SMCI)で、株価は年初来で140%上昇し、過去1年の上昇率は730%を超えています。
今後の決算発表に注目
注目すべきは、多くのクラウドベース・アプリケーション・プロバイダーの四半期が1月までであるため、今月末から3月上旬にかけて、これらの企業の決算発表が続々と行われることです。
デル(DELL)、HPエンタープライズ(HPE)、セールスフォース(CRM)、ワークデイ(WDAY)、スノーフレイク(SNOW)、モンゴDB(MDB)、データドッグ(DDOG)などの企業の決算報告から、AIが企業支出に与える影響について、さらなる証拠を得る可能性があります。
まとめ
AI革命は現実のものとなり、各業界における企業の成長を加速させています。クラウドインフラへの投資の拡大や、AI特化半導体の需要急増は、このトレンドが今後も続くことを示唆しています。投資家は、今後もこの分野での動向に注目し、AIが企業成長の新たな推進力となっていることを理解する必要があります。